専科・轟悠 新しい年への「希望につなげていきたい」

[ 2020年12月5日 16:00 ]

大きな鼻を付けシラノを熱演する轟悠
Photo By 提供写真

 専科スター轟悠が世界的名作に挑む「シラノ・ド・ベルジュラック」が4日、大阪のシアター・ドラマシティで開幕した(12日まで)。

 大きな鼻にコンプレックスを持つ男、シラノの純愛物語。日本では鹿賀丈史(70)の当たり役でも知られる。轟も高い“付け鼻”を装着しての熱演、圧倒的な存在感で男役の誰もが憧れる“宝塚らしいシラノ”を体現してみせた。

 新型コロナウイルス感染症の影響を受けながら、熊本の実家は7月の豪雨で甚大な被害を受けた。「テレビの中継に声を上げました。故郷の美しい風景が全て変わったというショック。ボランティアで飛んで行きたかったけれど、コロナで行くに行けず…」。

 全ての価値観が覆るような事態が相次いだ2020年。「希望は捨てず、現実はしっかり受け止め。いつ、何がどう変化するか分からない世の中。だからこそ今、目の前にあるこの作品を、このメンバーで心してやって希望につなげていきたい」。新しい年に向け、力強く放った言葉が心に刺さった。(土谷 美樹)

 ◇轟悠(とどろき・ゆう)8月11日、熊本県生まれ。人吉市立第一中を経て85年初舞台。97年、雪組トップスターに。02年に専科に入り翌年劇団理事。今年7月18日付で劇団特別顧問に。身長1メートル68。愛称「イシサン」。

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