OG、宝塚ホテル支配人・憧花ゆりのさん “夢の続き”つくる仕事に全力投球

[ 2020年10月24日 05:30 ]

タカラジェンヌから宝塚ホテルの支配人へ、華麗な転身を遂げた憧花ゆりのさん
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 元月組組長で娘役スターだった憧花ゆりのさん(39)が名門・宝塚ホテルの支配人に就任し4カ月。「最近ようやく、通常業務をこなしながら、来年にやってみたいイベントの企画にも取りかかっています」とにこやかに語った。
 1926年(大15)に開業した同ホテルが、阪急・宝塚南口駅から宝塚大劇場横に移転、再開したのが6月。

 コロナ禍のまっただ中、華々しい記念イベントもままならなかったが来年にはメドも立ち、憧花さんも支配人業務をこなす一方、企画の立案にも関わり始めた。「宝塚歌劇を初めて見る人への“予備知識”としてOGによる講演会みたいなのをできないかな、と思ったり。ここならではのディナーショーはもちろん、現役生には出せないOGの魅力を引き出す企画とか…」とアイデアは尽きない。

 一昨年11月に退団後は、ロンドンなどに舞台の勉強に出掛け、大阪芸大の通信制にも入学。ライブを行うかたわら歌を教えるなど、わずかな時間でさまざまな経験を重ねた。第二の人生へ具体的な道を探っていた今年2月、支配人就任への打診を受けた。退団直後だったら「断っていた」というまさかのオファー。「私の人生、宝塚とは切っても切り離せないんだ、と運命を感じました。それなら、とことん付き合っていこう」と未知の世界へ飛び込んだ。

 当初、本名で働くことも頭をよぎったが「宝塚歌劇とホテルをつなぐ“夢の続き”をつくるお仕事なので、本名では夢がなくなる気がして…」と元タカラジェンヌらしいこだわりも。華やかな世界を経験したからこその“おもてなし”とホテルづくりに、憧花さんが情熱を注ぐ日々は続く。(土谷 美樹)

 ◇憧花 ゆりの(とうか・ゆりの)1981年(昭56)3月25日生まれ、兵庫県神戸市出身の39歳。県立鈴蘭台西高を経て00年初舞台。月組配属。16
年組長に就任し、18年11月退団。代表作は「ME AND MY GIRL」のマリア公爵夫人、「エリザベート」のゾフィーなど。身長1㍍63。愛称「すずな」。

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