OG柚希礼音〝心の表現〟を大事に役作り

[ 2020年9月19日 05:30 ]

「自分が出ていても鳥肌が立つくらい感動する」と作品に惚れ込む柚希礼音(撮影・花井智子)
Photo By 提供写真

 元星組トップスター柚希礼音(41)の熱演が印象的だった大ヒットミュージカル「ビリー・エリオット」が東京・TBS赤坂ACTシアターで開幕した(10月17日まで。10月30日~11月14日=大阪・梅田芸術劇場)。

 3年ぶりの再演となる今回は、柚希演じるウィルキンソン先生を、1代前の星組元トップ・安蘭けい(49)とダブルキャストで演じるのも話題。「宝塚時代はトップと2番手という関係だったけれど、当時は瞳子さん(安蘭)があまりにも恐れ多くて…。でも今は自分も経験を積んで意見交換ができることも。刺激を受けながら大事に役を演じたい」と力を込めた。

 1980年代、英国の田舎町を舞台に、ダンサーを夢見る少年ビリーの成長を描く感動作。日本初演時は菊田一夫演劇賞大賞を獲得するなど話題となった。ウィルキンソン先生は、そのビリーの才能をいち早く見いだす元ダンサー。「舞台袖からステージを見ていても、自分が出ているのにもかかわらず、鳥肌が立つくらい毎回感動していて。今回また、できることの喜び、それ以上に責任感を感じています」と初演時を振り返りながら語った。

 9歳で始めたバレエは、宝塚に入る以前バレエ留学も考えるほど、その高いダンス力で人気を集めてきた。この役との共通点も多かった。「私も入ったころはテクニックにばかり頼っていた。宝塚に入団してお芝居を学んでダンスも〝心の表現なんだ〟と理解してからは自分のダンスも変わっていった。そういうことが、この役作りにも反映している」。実体験も生かした役への熱い思いがあふれた舞台だ。(土谷美樹) 

 ◇柚希 礼音(ゆずき・れおん)1979年(昭54)6月11日生まれ、大阪府出身の41歳。97年宝塚音楽学校入学。99年初舞台を踏み星組配属。09年4月トップ就任。15年5月退団。身長1メートル72。愛称「ちえ」。



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