雪組・望海風斗(下) 挑戦と伝統の両立にチャレンジ

[ 2020年1月4日 05:30 ]

「常に挑戦の気持ちは忘れずに」と話す望海風斗
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 兵庫・宝塚大劇場で上演中の話題作「ワンス アポン ア タイム イン アメリカ」(2月3日まで。東京宝塚劇場は2月21日~3月22日)。トップスター・望海風斗の豊かな歌唱力と深い演技で客席をぐっと引きこむ力作に仕上がった。

 もがき苦しみ、孤独を抱える主人公・ヌードルスの姿は、どこか望海が歩んできた宝塚人生と重なる。「今となっては、すべてが〝あってよかったな〟と思えることばかりですが、当時は先のことも見えず、すごく必死だった」と振り返った。ただ、宝塚は孤独ではなかった。「嫌でも一緒にいなきゃいけない(笑)。その環境が救いだった。自分がもがいているところを、必ず誰かがみてくれている。当時の苦しみがあったからこそ今がある」と胸を張る。

 昨年は「ファントム」で始まりコメディー、さらには「壬生義士伝」の熱演で涙を誘い「振れ幅の広い、柔軟性がついた1年だった」。今年は本拠地・宝塚で幕を開け4、5月には東京と神戸で初のコンサートも控える。「どんな事でも挑戦していく、という気持ちは忘れずに。新しいことだけじゃなく、宝塚の伝統も振り返りつつ、2つをうまく両立できたら」。圧倒的な歌唱力を誇る望海が、また新たな領域へ―。実力派トップのチャレンジは終わらない。 (土谷 美樹)

 

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