瀬奈じゅん 女優として母として“憧れの姫”「役に生きたい」

[ 2019年8月10日 05:30 ]

ミュージカル「ラ・マンチャの男」に出演が決まり喜びを語る瀬奈じゅん
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 元月組トップスター・瀬奈じゅん(45)が9月7日、大阪・フェスティバルホールで開幕するミュージカル「ラ・マンチャの男」(12日まで。同27~29日=愛知県芸術劇場、10月4~27日=東京・帝国劇場)に初出演する。

 歌舞伎俳優・松本白鸚(76)がライフワークとして取り組み、今年は初上演から50周年という節目。投獄された劇作家が、自分が手がけた「ドン・キホーテ」の物語を監獄内で演じ、囚人たちを即興劇に巻き込んでいくミュージカル大作。瀬奈が演じるのはキホーテの“憧れの姫”アルドンザ。これまで故上月晃さんや鳳蘭(73)ら、宝塚出身の名だたる女優が演じてきた大役だ。瀬奈は「オーディションで歌った時“落ちても悔いはない”って思うほどでした。精神的にも体力的にもパワーのいる役で、家に帰ると“何でこんなトコにあざが?”と思うこともあるぐらい」と充実の表情を浮かべる。

 宝塚を退団して10年。「“ようやく女優になれた”と思えた、そんなタイミングで躍動感と女性らしさが求められるこの役を頂いたのはうれしいし、役に生きたい」と熱く誓った。

 実生活では不妊治療の末、特別養子縁組で子供を迎えた。「家に帰ったら一緒にかえるの合唱とか歌います。でも、実は子どもと一緒に歌うとソフトに声を出すので、私にとってもいいことかも」と笑う横顔はすっかり母親だ。「今や絶賛イヤイヤ期。自分もこうやって育ててもらったんだな、と感謝もするし、いろいろ経験してきたことが役に生きると信じています」。その横顔には凜(りん)とした強さが漂っていた。(土谷 美樹)

 ◇瀬奈 じゅん(せな・じゅん)本名・千田麻子。1974年(昭49)4月1日生まれ、東京都出身の45歳。90年、宝塚音楽学校入学。92年に初舞台後、花組配属。05年、月組トップスター就任。09年退団。12年、ダンサーの千田真司と結婚。

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