望海風斗(下) 悲哀、抵抗感…エリックの「内に秘めたもの」出せれば

[ 2018年11月10日 11:51 ]

雪組公演「ファントム」(~12・14宝塚大劇場、来年1・2~2・10東京宝塚劇場)

「もっと自分の男役を追い求めたい」と話す望海風斗
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 雪組トップスター望海風斗、トップ娘役・真彩希帆の実力派コンビが挑むミュージカル「ファントム」が11月9日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した(12月14日まで。東京宝塚劇場は来年1月2日〜2月10日)。

 19世紀パリ。生まれた時から顔に大きな傷を持ち、オペラ座の地下に住むエリック(望海)が、若い歌姫・クリスティーヌ(真彩)に恋をし彼女を成功へと導くが、やがて彼の出自を背景に悲劇へと転がっていく。

 悲惨な傷を隠すはずの仮面姿だが、その美しさは見る者の目を奪うほど。「宝塚なので、そこは美しくなければ…と思うけれど、彼が顔の傷とともに背負ってきたものは計り知れない。仮面をつけられた時の悲しさ、抵抗感。そういう内に秘めたものが出せれば」と、静かに語った。

 今年の宝塚大劇場を締めくくる大作。トップとして駆け抜けたこの1年は「5年分ぐらいの出来事が詰まっていて、凄く幸せな日々だった」と振り返る。「最近はいい意味で力が抜けてきて周りを感じられるようになってきた」とにっこり。さらに前作「凱旋門」での専科スター轟悠との共演を振り返り「もっともっと“自分の男役”を追い求めていきたい、と気持ちが強くなりました」と、さらなる飛躍を誓った。(土谷 美樹)

 ◆望海 風斗(のぞみ・ふうと)10月19日生まれ、横浜市出身。法政大学女子高を経て03年初舞台。花組配属。09年「太王四神記」で新人公演初主演。高い歌唱力が話題となり、12年「Victorian Jazz」でバウホール初主演。14年11月、雪組に組替えし17年7月トップ就任。三拍子そろった実力派として人気。身長1メートル69。愛称「だいもん」。

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