朝夏まなと(下)「無心で見たい」ラスト大階段からの景色

[ 2017年8月19日 16:00 ]

朝夏まなと
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 圧倒的な存在感でファンを魅了してきた宙組トップスター、朝夏まなとのサヨナラ公演「神々の土地/クラシカルビジュー」が18日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した(9月25日まで、東京宝塚劇場は10月13日〜11月19日)。ロシア革命を題材にした重厚な芝居に対し一転、2部の「クラシカル―」は朝夏をダイヤモンドに、スターたちをさまざまな宝石に見立てた華やかなショー。

 最大の見どころは朝夏が黒エンビで踊るソロだ。身長1メートル72、長い手足を存分に生かしたダンスで下級生のころから注目を集めてきたが、あの大舞台の空間をたった一人で埋めるエネルギーは圧巻。朝夏も「黒エンビは宝塚の男役の象徴でもありますし、私も上級生から継承してきた。今度はそれを下級生に伝えていく、という大事な場面」と覚悟のダンスだ。

 入団して16年。転機は12年の組替えだったという。「本当に充実していた。ここまで来られるとは思っていなかったし、とても私一人では無理だった」と感謝する。そんな思いをショーにも盛り込んだ。最後の大階段。どのトップスターに聞いても、そこからの景色は特別なものだという。朝夏は「無心で見たいですね」。邪念を振り払い、最後の瞬間まで朝夏の挑戦は続く。(土谷 美樹)

 ◆朝夏(あさか)まなと 9月15日生まれ、佐賀市出身。佐賀大学文化教育学部付属中を経て02年初舞台。花組に配属となり、05年「マラケシュ・紅の墓標」で新人公演初主演。「ME AND MY GIRL」ではジャッキー、「風と共に去りぬ」ではスカーレットと女役の大役もこなしてきた。12年6月宙組に組替えし15年2月トップスターに。身長1メートル72。愛称「まぁ」。

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