竹中功のナニワ新報

Vol.32 「コロナに負けへんで!」 なにわのチャレンジャー大将!

[ 2020年5月4日 05:30 ]

オーナーの村上くん(左)とシェフのマサダさん
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 緊急事態宣言が発令され1カ月ほど経った。時間が経つのが早い。早すぎる。私がもう60歳を超えているからだろうか?

 ずっと家にいる時だからこそやろうと誓ったことのほとんど出来ていないまま時は過ぎて行く。見たい映画、読みたい本、洋服やCDの棚の整理、そして全てに言える「断捨離」が何も進んでいない。

 そんな中、時の流れに付いていけないのが食事だ。当たり前だが、朝昼晩は毎日やってくる。今までと同じはずなのに出かけることが全くなくなると、こうも違うのかと「コロナ疲れ」の要因のひとつである。

 家族も「ネタ切れ」と言い出すし、外出も控えた中、地元のスーパーに調査に回っているのだが、予算に合った欲しい食材もなくなってきた。特に夕方の割引シールが貼られるのを狙って店に入るものの同じようなものばかりから割引になるので変化に富まない。

 デリバリーもいいのだが、手数料もバカにならんので、ついつい我が家も自炊とテイクアウト弁当の組み合わせになってしまいがちだ。皆さんはどうだろうか?

 そこで最近の発見は古くからの付き合いがある「OBENTO てて」だ。そもそもは20年近く前からの贔屓の居酒屋「つばめいろ」が今の時代に合わせ「お弁当屋」に大変身したのだ。

 「つばめいろ」時代から、その日の旬の食材を料理人の思いで選び、ベストの調理で安く提供という毎日献立が変わるというスタイルだっただけに、今回の「お弁当屋」に変身したと言うので期待も膨らんだ。

 オーナーの村上健太郎くんはこの店の総指揮官である。実際にはこの店舗以外に、北新地に「あかとしろ」という寿司屋と「kushiage 010(クシアゲ ゼロイチゼロ)」という串揚げ屋を経営しているのだが、北新地の2店舗は早々と休業。そしてメンバーを「てて」に集結させ、「お弁当」の提供に集約させた。

 もともと音楽や映画関係者に知り合いが多いこともあり、今までもケータリングということで、楽屋での「胃袋」を任されることも多かったそうだ。だから「弁当」に関する経験も大いにあり、今回もあっさりと進むものかと思ったところ、いざ弁当箱に一つずつ詰めていくと肉団子とコロッケが丸くって間ができてしまったり、ごぼう巻とシュウマイの高さが違ったりと、おかずやご飯の並べ方という演出に苦労が出てきたそうだ。

 仕出し弁当の専門店のように、弁当箱に仕切りが付いていて、かまぼこや焼き魚やフライ物、お漬物がすべて同じ大きさ、同じ形で用意されてそれを並べるだけならいざ知らず、ついつい今までの癖で、注文が入る度に調理したりする物もあるので、全品にちょっとした手間が掛かるというのだ。もっと言えば、詰める前にちょっと手間を掛けたいという気持ちは捨てられないそうだ。そこがプロ根性なんでしょうな。

 オーナーの健太郎くんは今、お母さんの気持ちを持つことの難しさと楽しさを覚えたらしい。それはお客さんが元気になって喜んでもらうために、自分が楽しく、喜んでもらえる気持ちをたっぷり込めてお弁当を用意することだそうだ。実際「カラフル弁当(1500円)の中身のおかずは肉、魚、野菜などがてんこ盛りで18種ほどだが、頭の中にあるおかずの持ちネタは50は軽く超えているそうだ。だから味や栄養、見栄えの組み合わせを選んで毎日楽しんでいると言う。他には「麻婆茄子」「チキン南蛮」「煮込みハンバーグ」など7種類ほどの弁当も用意されている。

 チーフシェフのマサダさんいわく「美味しいおかずは形もいい」と。そういう意味でも、出来上がってきたものをレイアウトしていくときの知恵も重要だそうだ。

 ここの弁当のコンセプトはフタを開けたときに「おかずやご飯のカラフルさで元気になってもらう」というものだ。

 先日も健太郎くんの奥さんが豊中で雑貨屋を開いておられ、そこで声掛けしたら、噂を聞きつけた近所の人たちから80個を超える注文が集まったとのこと。

 いまやスーパーもコンビニ、それに加えて実営業ができなくなった居酒屋やご飯屋さんがこぞって「お弁当」を販売するようにもなってきているので「ライバル多し!」とも言われるが、自分や家族全員の「胃袋」のことを考えると、安心、安全、そしてコストパフォーマンスを重要視せねばならない。そこで「てて」がこだわっているのが、この「カラフルさ」と「楽しさ」だという。

 寿司屋と串揚げ屋のスタッフもここにいるので、25種類以上の食材を使った、見て楽しい、食べて美味しい「手毬寿司」3000円(税込み)や油で揚げた串カツの盛り合わせももちろんだが、揚げる前の盛り合わせを注文して、家飲み串揚げ大会を催すお客さんもいるそうだ。変化を楽しむには「てて」の弁当をよりすぐってみるのもいい。何なら気楽に無理な相談もしてみればいい。好き嫌いもあるだろうし。ちなみに私はタケノコが不得意である。早く健太郎くんと大笑いしながら店のカウンターで食事ができる日が来ないか、待ち遠しい。

 ◆obentoてて
 大阪市北区大淀中1の16の16
(電)06(4797)2266
 ▼インスタグラム obento_te_te
 ※_ はアンダーバー

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