菊水丸店主 珍宝堂

輪島さんのサイン眺め寂しい気持ちに…

[ 2018年10月17日 12:59 ]

相撲ファンだった菊水丸少年がもらった輪島関と北の湖関のサイン
Photo By 提供写真

 私が相撲少年だった頃の花形力士は、輪島、北の湖、貴ノ花、魁傑。サインをもらった懐かしい思い出がございます。

 輪島関には、少年ファンが群がっても「後で」と断られることが多く、女子大生を見つけて「お姉さん、代わりにもらってください」とお願いするのがイチバン。すると、ニッコリ笑ってサラサラサラ。

 怖くて誰も近づかないのが北の湖関。恐る恐るに「サインお願いします」と言うと、意外にも「どこから来たの?」と話かけてくださり、サラサラサラ。貴ノ花関は阿倍野区晴明通の宿舎へ本場所の取組を終えて戻って来た時がチャンス。車から玄関へ入るわずか1メートルのところで「大関!!」と声を掛けるや、1人だけなら立ち止まってサラサラサラ。魁傑関は、いつでもどこでもサラサラサラ。

 先日、輪島さんの訃報に触れ、これで4人とも鬼籍に入られたことになります。中学3年生の時に本場所パンフレットに書いてもらった輪島関と北の湖関のサインを眺めて、寂しい気持ちになりました。

 稽古を終えて、天王寺区の源聖寺坂に程近い銭湯で汗を流して出て来た輪島関を、中学2年生の私が撮った1枚は、くわえたばこ姿。まさに昭和。

 縁あって、横綱時代の明け荷がわが家にあります。寸法が縦に1寸高い希少品。付け人を務めた元幕内の花ノ国に頂いたものです。

 最後に知られざるエピソードをひとつ。貴ノ花の息子・貴乃花さんがわんぱく相撲で優勝して、横綱土俵入りを披露した時の手ほどきは、あの輪島さんだったとご本人から伺いました。そう言えば、平成の大横綱の土俵入りは、何となく輪島さんに似てましたなぁ…。(河内家菊水丸)

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