ききみみ 音楽ハンター

【林部智史】“今、もっとも泣ける歌” 転機は「カラオケバトル」

[ 2016年11月28日 05:30 ]

今年もっとも活躍した新人歌手の1人、林部智史
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 林部智史(28)は今年もっとも輝いた新人歌手の一人だ。2月のデビュー曲「あいたい」が歌謡曲に通ずる哀愁漂う曲調と切ない美声で“今、もっとも泣ける歌”と評され、6月に有線全国ランキング1位を獲得。レコード大賞をはじめ、年末の賞レースの新人賞も次々と受賞している。

 来阪した林部に話を聞くと、デビュー曲での繊細な印象とは少しギャップがある。高校時代はバスケ部でインターハイでベスト8入り、好きな音楽はR&Bだった。山形県出身で高校卒業後は看護学校に通うも挫折し、退学。失望する親を見るのがつらくて実家を離れ、住み込みのアルバイトを探し全国を転々とした。北海道のホテル勤務時代、ギターが上手なバイト仲間に「何でその声で歌手にならないの」と説教され、一念発起。上京して歌手を目指した。

 転機は昨年。テレビ大阪系「THEカラオケ★バトル」で年間王者になった。辛島美登里の「サイレント・イヴ」などで発揮した歌心にファンが急増し、デビューも決定。自身の歌声が生きるのは切ない曲と悟った。

 以前は「週6日休みだった」という生活も、今やオフは月に1、2日。子供から年配者までファン層が広がり、東京・山野楽器銀座本店でのイベントでは同店の今世紀最多記録となる3000人を動員した。ブログの閲覧者数はデビュー前から「1万人も増えた」と反響に驚く。将来を心配した両親を笑顔にすることもできた。

 12月23日には「ウェスティンホテル大阪」(大阪市北区)でクリスマスライブを開く。「大阪の人はMC中にしゃべりかけてくるので盛り上がる」と笑顔。歌でしっとり、会話でまったりの大阪公演を楽しみにしていた。 (萩原 可奈)

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