ききみみ 音楽ハンター

【武田と哲也(上)】TAKE&村上てつや ノリで始めた「武田と哲也」

[ 2016年10月17日 05:30 ]

セクシーな二枚目路線のライブも好評な「武田と哲也」のTAKE(左)と村上てつや
Photo By 提供写真

 「“たけだとてつや”を取材しませんか」。レーベル担当者からの電話に「え?武田鉄矢?…じゃない?」と混乱した。「Skoop On Somebody」のボーカルTAKE(本名・武田雅治、47)と、「ゴスペラーズ」のリーダー村上てつや(本名・村上哲也、45)によるユニットで、両者の名を取り「武田と哲也」と説明を受け、納得。20代に愛聴した2組だけに快諾した。

 06年に音楽イベント「ソウル・パワー・サミット」で、歌手・鈴木雅之(60)から「オマエら2人で“たけだてつや”になるから組めよ」と言われ。年々人気が高まり今月、結成10年にしてまさかのメジャーデビュー。鈴木からは名付け親として、感無量ならぬ「冠二郎です」と祝福メールが届いた。

 発売中のデビュー・ミニアルバム「LOVE TRACKS」は文字通り愛の歌が並び、衣装は白スーツにサングラス。ラブソングの王様・鈴木への対抗心かと思いきや、「恐れ多い!常に僕らは下」とTAKE。村上も「僕らは“ラブソング界の助さん格さん”です」と黄門様・鈴木への敬意をアピールした。

 セクシーな口説き歌の数々を「今の時代、素っ頓狂」、曲調は「サビが弱い」「ライブで立つのか座るのかに迷うテンポ」と自虐的に解説するが、2人が愛するオシャレなソウル要素をこれでもかと詰め込んだ振り切れ具合は面白い。帰るべき安定したホームチームが各自にあるので、“企画コンビ”で守りに入る必要はない。おどけたユニット名に反して、いや名の通り、真剣に音楽を遊んでいる。そんな2人は大阪出身。次回は彼らの地元エピソードをお届けする。(萩原 可奈)

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