ききみみ 音楽ハンター

「スピラ・スピカ」が届ける歌のエール 幹葉「頑張れ、は時にプレッシャー…でもやっぱり私は好き」

[ 2024年4月10日 11:00 ]

スポニチの取材に応じた「スピラ・スピカ」の幹葉
Photo By スポニチ

 【ききみみ 音楽ハンター】ボーカル・幹葉によるソロプロジェクトとなって初のミニアルバム「未知の設計図」を発売した「スピラ・スピカ」。このほど、大阪市内でスポニチの取材に応じ、音楽に込める「エール」について語った。

 2018年8月にバンドとしてメジャー・デビュー。コロナ禍でライブができなくなる中、メンバーはそれぞれ別の道を歩む決断をした。幹葉は「1人では不安もあるけど、スピラ・スピカの名前をそのままに、どうしても歌っていきたい」と、22年9月からソロプロジェクトで再出発。念願のCD発売がかない、今は安堵(あんど)と喜びを実感している。

 作詞はすべて幹葉が担う。デビュー当時から、メロディーに言葉をはめる“曲先”で制作してきた。その訓練やワードセンスを磨くため、SNSに「五・七・五」でつぶやく通称「#みきはいく」(幹葉+俳句)を日課にしてきた。その成果も発揮された多彩な5曲を今作に収録。デビューからの紆余曲折を振り返った「私の物語」など正直な言葉を詰め込んだ。「この音楽を皆さんに広げるため、大好きな歌をうたい続けるため、何でもやる」とPR活動にも余念がない。

 サッカーJ1・ジュビロ磐田のシーズンソングも2曲(2023年、24年)収録。2020年から5年連続で担当しており、J1に返り咲く歓喜も味わった。兄がサッカーをやっていたため親と応援に行くなど、幹葉にとっては身近な競技。高校では女子サッカー部に所属した。ジュビロから依頼を受け、試合を見るうちに大ファンに。「初めての推しチーム!サッカーには喜怒哀楽が詰まってて、あらゆる感情を味わい尽くせます」とテンション高く語った。

 今年の曲「FIRE SPIRIT」には、いろんな工夫を隠してある。例えば「Bid you belong」という歌詞が「ジュビロ」と聞こえたり…。選手やサポーターの歌声も収めた。アグレッシブな曲調の中に、幹葉のジュビロ愛があふれる1曲。4月27日には、ホーム戦でハーフタイムライブも行う。

 出身は徳島県で、大学は関西。静岡には縁がなかったが、今では特別な場所になった。「最初、サポーターの皆さんはスピラ・スピカ?誰やねん!ってなってたと思いますが、こちらが熱い思いで向き合うと、同じかそれ以上の熱量で返してくださる」と感謝。この日もジュビロカラーの洋服だ。「ついつい私服からサックスブルーの服が多くなっちゃう。無意識に選んでる。一生ジュビロサポーターです」と誓った。

 ジュビロに限らず、応援ソングがスピラ・スピカの真骨頂だ。「“がんばれ”の力って凄い!この間、ミニマラソンを走って。沿道の皆さんからの声援で実感したんです」と告白。「時にプレッシャーになる言葉だったりする。でも、やっぱり私は“がんばれ”が好きかも。押しつけがましいかもしれないけど、自分が一番歌えるのはそういう歌だと、今回のアルバムを通しても明確になった」という。

 取材中も笑い声が絶えず、おしゃべりが止まらない。ライブ中も「MCが長い!って言われます。それも含め、ファンのみんなも楽しんでくれてる」と笑顔。「頑張れ!の思いや、頑張りすぎて疲れてる人にも寄り添う歌を届けていく人になりたい」と語る。「まだまだ夢を追いかけて走り続けていきます!一緒にはい上がって行きましょう!オー!」と最後までポジティブオーラ全開。この陽キャラと前向きな歌声で、世の中を明るく照らす存在になってほしい。(萩原 可奈)

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