アニメ研究部 三森すずこ

三森すずこ 新曲エガオノキミヘで「切ない秋を歌いました」

[ 2017年10月4日 10:00 ]

新曲「エガオノキミエヘ」とアニメ「結城友奈は勇者である」について語る声優の三森すずこ
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 人気声優で歌手の三森すずこさんが10月11日に、8枚目のシングル「エガオノキミヘ」をリリースする。自身が主演するアニメで、10月6日に放送がスタートする「結城友奈は勇者である―鷲尾須美の章―」のオープニングテーマ。曲と作品に込めた思いを語ってくれました。

 「エガオノキミヘ」は、三森によると「秋にピッタリのノスタルジックで切ない曲」。小気味よいテンポが印象的ながら、どこかもの悲しい。「メロディー的には凄く軽やかですけどね。それは会いたい人に会いたいと思っても会えず、春夏秋冬…と季節が巡っていくスピード感ですね」。季節が移ろう中、大切な人と会えないまま募っていく思いが歌われているという。

 「結城友奈は勇者である―鷲尾須美の章―」の世界観を歌っているが、作品から独立した一つの曲としても味わい深い。「例えば遠距離恋愛など好きな人と会えない環境にいる人や、家族やペットをなくし、会えないつらさを抱えている人が共感できる部分もあるんじゃないですかね」と、日常にある悲しみ、寂しさを重ねて共感してくれる人もいるのではないかと期待している。

 もちろん「勇者」シリーズの世界観を知れば、より深みを増す。三森自身も「エガオノキミヘは、鷲尾須美の感情が凄く表されているなあと思います」と話した。

 2014年に放送された第1期の2年前を描いた「鷲尾須美の章」で鷲尾の声を担当。第1期で演じた東郷美森はかつて鷲尾須美という名の勇者だったが、当時の記憶はなし。養女として鷲尾家に迎えられていたために氏名が違う設定だ。

 「鷲尾須美自身は最終的に記憶をなくしてしまいますが、仲間である銀ちゃんや、園子ちゃんに再び会えるんじゃないかな…なんて思うんです」とキャラクターソングとしての魅力を強調。「(歌詞に)ぎん(銀)、そのこ(園子)、すみ(須美)という言葉も入っていて、作品ファンの方は、そういうワードを見つける楽しさもあります」と笑顔でアピールした。

 第2期は「鷲尾須美の章」の終了後に「勇者の章」が描かれる。詳細は三森も知らされていないそうで、アフレコの3〜4日前に台本を渡されるのが“勇者スタイル”という。「このシリーズではいつも、台本をもらうたびに“どういうコト?”と驚いています」と苦笑いを浮かべた。

 世界観が複雑で、登場人物の心情が繊細に描かれるシリーズだけに“声づくり”は瞬発力勝負だ。「まず初めは凄く軽く読みます。気持ちの変化だけは感じておこうという感じですね。現場に行ったら他のキャストとの掛け合いでも変わるし、監督の指示でも変わるので」と柔軟な対応力が求められるようだ。

 劇中で過酷な運命に翻弄(ほんろう)されるキャラたちと、自身の感情は“同時進行”。「どうして監督は、この子たちをこんなにイジめるの?と思いながら演じています。そもそも、楽しいお話なのか悲劇なのかも分からずに始まったお仕事。役と一緒に、自分の感情も変化していく感覚ですね」と楽しそうに話した。(岩田 浩史)

=インタビュー後編は11日アップ予定です=

 ◇結城友奈は勇者である 2014年に第1期放送。“神世紀300年”の四国が舞台で、讃州中学校「勇者部」2年生の結城友奈が、仲間たちとともに正体不明の敵「バーテックス」と戦う変身ヒロインアニメ。略称「ゆゆゆ」。かつて鷲尾須美という名の勇者だった東郷美森は結城の親友という位置付けだ。第2期は前半6話を「鷲尾須美の章」とし、後半を第1期の続編「勇者の章」としている。「鷲尾須美の章」は今年3〜7月、3部作として劇場公開された。

 ◇三森すずこ(みもり・すずこ)6月28日、東京都生まれ。「探偵オペラ ミルキィホームズ」シリーズのシャーロック・シェリンフォード、「ラブライブ!」の園田海未、「浦安鉄筋家族」シリーズの大沢木小鉄、「タイガーマスクW」の高岡春奈役などを担当。「ラブライブ!」の出演声優で結成したユニット「μ’s(ミューズ)」で2015年のNHK紅白歌合戦に出場するなど、歌手としても活躍。ユニット「ミルキィホームズ」やソロ歌手としても活動。趣味は料理、観劇、プロレス観戦。特技はダンス。血液型AB。

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