溝口紀子氏 柔道・永山の失神負けに「国内でも一本」 数々の微妙判定には「ルールは毎年アップデート」

[ 2024年8月3日 21:10 ]

<パリ五輪 柔道>男子60キロ級、準々決勝で敗れる永山竜樹(左)(撮影・平嶋 理子
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 バルセロナ五輪柔道女子銀メダリストでスポーツ社会学者の溝口紀子氏が3日、ABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜前9・30)に出演し、パリ五輪柔道の誤審騒動について言及した。

 大きな注目を集めたのが柔道男子60キロ級準々決勝。日本の永山が相手に絞め技を掛けられたが「待て」がかかっても、約6秒も絞められる状態が続き、失神して一本負け。コーチや全日本柔道連盟が抗議したが、覆らなかった。

 この“6秒”が批判の的となっており「すぐに審判は止めるべきだった」もしくは「待てがかかっているのに絞め続けられたため失神したので一本負けはおかしい」または「相手が故意に絞め続けたのでは」という意見が多数を占めた。

 しかし、溝口氏は「国内の柔道でも、あの場合は一本」と、判定に大きな問題はないという見解を示した。

 その理由として「実は待てがかかる前から経験上、入っていたなと。“半落ち”という言い方があるんですが、半分以上意識は飛んでいたと思います。もし半落ちじゃなかったら起き上がったり、逃げたりしていたと思う」と指摘した。そのうえで絞めがほどけるまでに6秒かかったことについては「待てが聞こえなかったということは十分にあります。それと、すごい力で絞めていると、硬直してほどけようにもすぐにはほどけない場合がある」と、自身の経験から語った。加えて「柔道の慣例としては待てがかかっていても、落ちていたら一本を取られます」と、今回に関しては不可解判定ではないという考えだった。

 また「コーチも(一本負けと)分かっていたと思う」と話した溝口氏。ただ、選手自身が納得のいかない表情をしていたこともあり、さらにはこの日が柔道初日だったため「今後の試合で審判団にプレッシャーをかける意味もあったと思う」と、日本チームとして戦略的な抗議だった可能性を示唆した。

 毎回、微妙な判定が多い印象のある柔道だが、溝口氏は「お家芸ということもあって国内ルールと国際ルールが少し違うということもあるのでは」と、柔道をめぐる問題点を指摘する。また「この間も技ありじゃないの?誤審じゃないの?というのがありましたけど、日本人は4年に1度しか見ないし、国内ルールで見ているところもある。その間に柔道のルールもアップデートしてるんです」と、時代に沿って細かなルール変更があるという。「私でも毎回研修に行ってても、ん?となるのに、4年前の古いルールで見ちゃうと、それはね」と話し、もう少し柔道を見て知識を持ってもらえることを期待していた。

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