藤井竜王 第5局1日目はカウンター狙いの態勢 広瀬八段は両にらみの自陣角で2勝目を目指す

[ 2022年11月25日 19:20 ]

藤井聡太竜王(右から2人目)が待つ中、立会人の中村修九段(右)に封じ手を手渡す広瀬章人八段(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太竜王(20)=王将、王位、叡王、棋聖含めて5冠=が挑戦者に広瀬章人八段(35)を迎える第35期竜王戦7番勝負第5局は25日、福岡県福津市の宮地嶽神社貴賓室で指され、69手目を広瀬が封じて1日目が終了した。先手は広瀬で戦型は相掛かり。対戦成績は藤井の3勝1敗で、あす26日の2日目に藤井が勝利すれば初防衛となる。

 封じ手の局面は藤井が眠ったままだった左桂を起動させ、藤井陣を目指した広瀬の右桂に当て返した。藤井の左銀は1筋へ追いやられているが、広瀬は交換した角を盤上に手放しほぼ互角の形勢で進んでいる。持ち時間8時間のうち、消費時間は広瀬が2時間45分で藤井は4時間43分と1時間58分の不利を藤井が背負っている。

 相掛かりは、広瀬が中盤まで優勢を保った第3局以来。第1局で先勝しながらその後3連敗し、もう後がない第5局を迎えた広瀬が敗れた第3局と同じ戦型を選択した。何らかの用意があるのは明らかで、41手目、第3局では角交換へ踏み込んだ広瀬が、今度は4筋の歩を突き越して高い陣形を築き、手を変えた。

 そして55手目、広瀬の温めた構想が明かされる。中住まいの王の上へ角を打った。

 1筋から9筋まで両にらみの自陣角で勝利をつかみにいった。前日会見で「追い込まれてしまいましたがこれからは一局でも多く指せるようにとの思いで一局一局頑張りたい」と語っていた。対する藤井は56手目、切ったはずの飛先の歩を再度打ち付けて、広瀬角の一方の利きを遮断した。我慢を強いられたようにも映るが、カウンター狙いの低い態勢を敷いた。

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2022年11月25日のニュース