山崎八段 藤井竜王への挑戦者争い決勝進出 2つの陽動作戦で永瀬王座から主導権 竜王戦決勝T準決勝

[ 2022年8月1日 22:29 ]

山崎隆之八段(提供写真)
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 藤井聡太竜王(20)=王将、王位、叡王、棋聖を含む5冠=への挑戦権を争う第35期竜王戦決勝トーナメントの準決勝が1日、東京・将棋会館で行われ、山崎隆之八段(41)が永瀬拓矢王座(29)に108手で勝利した。山崎は第25期に続く2度目の3番勝負進出。同じく5日の準決勝でぶつかる佐藤天彦九段(34)と広瀬章人八段(35)の勝者と、挑戦者決定3番勝負で藤井への挑戦権を争う。

 「勝負勝負で、ギリギリ(の差)だったらいいと開き直って指した。勢いよく、思いついたまま指していこうと思った」

 振り駒の結果、先手は永瀬に。相居飛車の出だしから山崎が20手目、向かい飛車を明示した。さらに山崎は右王を匂わせながら駒組みを進めつつ、自陣中央3段目に金銀3枚を配置する、独創的布陣を敷いて永瀬を幻惑。結局、飛車は元の居飛車に、さらに中住まいのまま戦いを起こす、2つの陽動作戦で主導権を握った。

 10年ぶりの3番勝負へ向け、山崎は「最近の実力では考えてなかった。意識してなかった」と無欲の進出と強調。確かに昨年度、名人戦順位戦では自身初のA級に昇級しながら藤井と入れ替わるように1期で陥落。ところが今年度は竜王戦に続いて本社主催・第72期ALSOK杯王将戦でも2次予選に進出し、リーグ入りまであと2勝。「(3番勝負は)大きな勝負ですが、途中からのびのび指してそれがたまたまいい結果につながっている」として、無欲を継続する構えだった。

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2022年8月1日のニュース