聴かなくてもいいラジオ 「三四郎ANN0」ディレクター語る(1)

[ 2022年6月27日 05:30 ]

時々暴走する小宮浩信(ニッポン放送提供)
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 ニッポン放送「三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」(金曜深夜3・00)は、中学からの同級生コンビ「三四郎」の相田周二(39)と小宮浩信(38)が大はしゃぎする番組だ。2人は1週間の出来事や話題の事柄を自由にトークし、コーナーやリスナーからのメールでも笑いを生み出していく。

 2020年6月からディレクターを務める金子司氏は「言葉を選ばずに言うと」と前置きし、「聴いても聴かなくてもいい番組です。別に聴き逃しても、大した話はしてないんですよ」と笑いながら説明する。
 例えば、過去に小宮はファストフードチェーン「サブウェイ」に行った経験がないことで、相田やスタッフにマウントをとられたことがある。その翌週に、マウントを取り返すべく1日でサブウェイを3軒もハシゴしてきたエピソードを披露した。相田も、初詣で買った「肉巻きもちもち棒」に感激したエピソードなどをゆるく展開してきた。
 確かに日常生活のゆるゆるとしたトークかもしれない。だが、金子氏は「基本中身のない話をダラダラずっとしてるのが、逆に魅力になってます」と話す。

 そんな2人の世界観を壊さないことを意識する金子氏は、事前打ち合わせに口を挟まず、構成作家に任せるという。担当する他の番組では事前打ち合わせに加わることもあるというが、「僕も2人のノリに新鮮に対応できるように、トークは初聴きで放送に臨んでます」とあえて準備しないこだわりを示した。

 金子氏が感じる2人の印象は「つかめない、変わり者」。小宮はスタッフとほとんど喋らないといい、「ああ見えて常識はあると思いますが…」とするが、放送中に気持ちが高ぶり暴走する場面が多々ある。

 一方の相田は、社交性が高く、スタッフとも分け隔てなくコミュニケーションをとるという。ただ、「何を考えてるのか、もはや何も考えてないのか…ポンコツですね」と笑う。どれだけ“バカ扱い”されてもヘラヘラするだけの相田を、最近はリスナーも「虫」や「大いなる虚無」と呼んでいる。

 リスナー、そして、金子氏もそんな2人に翻弄されつつも、“聴かなくてもいい”番組を追い求め続けている。

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