中村逸郎教授 プーチン、ゼレンスキー両大統領がトルコ訪問し「停戦に向けた動きがあるのでは」

[ 2022年6月2日 16:05 ]

 ロシア政治を専門とする筑波学院大・中村逸郎教授が2日、TBS系「ゴゴスマ~GOGO!smile~」(月~金曜後1・55)にリモート出演。ロシアによるウクライナ侵攻の今後の動きについて語った。

 番組ではロシアのプーチン大統領がトルコのエルドワン大統領と電話会談し、ロシアとウクライナが合意すれば、国連を交えた会談を行うことを提案したと紹介。さらに、ロシアのペスコフ大統領報道官がプーチン大統領のトルコ訪問の日程がおおよそで決まっていることも取り上げた。

 この一連の動きをめぐり、中村教授は「今入ってきた情報ですけど、今回のウクライナへの軍事侵攻ですけども先が見えてきたかな」と言及。

 続けて「(ウクライナ国内で)大変な激戦が繰り広げられているわけですけど、それは停戦交渉をにらんだ動きというふうに理解できると思うんですね」と語った。

 その理由として「トルコにプーチン大統領が近々、訪問することになっています。6月8日に(ロシアの)ラブロフ外相がまずトルコを訪問し、そこで最終的な調整が行われるわけですけども、プーチン大統領のトルコ訪問の一番のポイントは何かというと、その場にゼレンスキー大統領も来るんではないかということが言われているわけなんですね」とプーチン大統領のトルコ訪問に合わせて、ゼレンスキー大統領も来るのではと予想されていることを紹介。

 「つまり、単にプーチン大統領がエルドワン大統領のもとに行くわけでなくて、ゼレンスキー大統領も出席して、3者で停戦に向けた動きがあるんじゃないかというのが、今入ってきたニュース」と中村教授は最新情報を口にした。

 その上で「ゼレンスキー大統領は元々、プーチン大統領と直接会談したい希望を持っていたわけなんですけど、ここにきてエルドワン大統領はウクライナとロシアの大統領の会談を仲介をすることで、今起こっている激しい戦闘を停戦に結び付けることによって、自分の手柄にしたいというのが見えてきている」とトルコのエルドワン大統領の思惑も指摘した。

 中村教授は3者会談が実現するとなると、時期はいつ頃になるかと問われると「6月8日にラブロフ外相がトルコを訪問します。ロシアもかなり疲弊してきているので、ロシア軍兵士もかなり離脱が多くなっているので、早ければ6月12日のロシア建国のお祝いの日。今年は3連休になるビッグイベントがあるはずなんですね。そこに合わせて早ければですけども、プーチン大統領がトルコを訪問し、ゼレンスキー大統領と停戦交渉に臨むサプライズが出てくる可能性がある」と最速で10日後の今月12日の「ロシアの日」に3者会談が実現するのではと分析した。

 一方で、停戦交渉がまとまるかの懸念については「ウクライナ軍もロシア軍も相当犠牲者を出してきてるわけですよね。ですから、このまま長期間、お互いに戦い合うのはかなり限界に来ていますので、どこかでひとまず停戦に持っていかないといけない。すぐにただちにその後、どうするかよりも今、大切なことは2人の大統領にとって停戦が一番緊急の課題になってますので、まず停戦ということで交渉が行われるのでは」とした。
 
 現在、ウクライナ東部のセベロドネツクで激しい戦闘が行われているのも「プーチン大統領の当初のウクライナ侵攻は、ドンバス地方におけるネオナチから親ロシア人達を解放する大義名分があったわけです。ネオナチと呼ばれる兵士をロシア軍はどんどん身柄拘束している。その人数をプーチン大統領が国内向けに何千人と公表することによって、今回の特別軍事作戦はひとまず終了したと宣言するかもしれない」と語った。

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2022年6月2日のニュース