「鎌倉殿の13人」“菅田義経”の義理と人情にネット号泣も「涙腺崩壊」里芋の約束＆宗盛父子への計らい

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第18話。藤平太と再会し、約束の里芋を一緒に食べる源義経（右から2人目）と弁慶（佳久創）（C）NHK
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　俳優の小栗旬（39）が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」（日曜後8・00）は8日、第18話が放送され、源平合戦の最終決戦「壇ノ浦の戦い」（1185年、元暦2年）が描かれた。

　＜※以下、ネタバレ有＞

　稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組！」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

　第18話は「壇ノ浦で舞った男」。苛烈さを増す源平合戦。必死に抵抗する平宗盛（小泉孝太郎）率いる平家軍に対し、源頼朝（大泉洋）は義経（菅田将暉）を四国、範頼（迫田孝也）を九州に送り、逃げ道をふさぎにかかる。しかし、範頼軍は周防で足止めを食らい、北条義時（小栗）三浦義村（山本耕史）らが状況の打開に奔走。一方の義経軍も、後白河法皇（西田敏行）の命により摂津から動けずにいた。そんな中、梶原景時（中村獅童）の献策を一蹴した義経が…という展開。

　義経は壇ノ浦の戦いに勝利。平家を滅ぼしたものの、頼朝との行き違いから鎌倉入りを許されない。

　鎌倉の西、腰越。

　義時「きちんとお会いして、お話されるべきです」

　義経「無用だ。兄上が帰れと言うのなら、それに従うまでのこと」

　義時「私から鎌倉殿に…」

　義経「もうよい！そういうわけで宗盛殿、そなたはこれより京へ戻る。その前に。（宗盛の息子・清宗を部屋に入れ）今夜は、親子でゆっくりと語り合うがいい」

　宗盛「九郎殿、かたじけのうござる」

　義経「この腰越はな、小四郎、以前にも来たことがあるのだ。平泉を離れて、兄上に会いに鎌倉へ向かっている時に立ち寄った。私は決めた。この先、法皇様第一にお仕えする。京の都で、源氏の名に恥じぬように生きる。私は検非違使の尉、源九郎判官義経だ」

　そこへ、相模の村人・藤平太（大津尋葵）たちが連れてこられる。藤平太は第8話（2月27日）に登場。平泉から鎌倉に向かう途中、空腹の義経たちに芋煮を振る舞った。義経は「この恩、決して忘れぬ。必ず、また戻ってくる。荷車いっぱいに芋を積んでな！」――。

　藤平太「大勝利、おめでとうございます」

　義経「おぉ～、懐かしい顔だ。約束のものをやるぞ」

　弁慶（佳久創）らがカゴに山盛りの里芋を運んでくる。

　義経「食べてくれ」

　藤平太「九郎様は大したお方だ。のう、みんな」

　義経「うまいぞ。おまえ（義時）も食ってみろ」

　藤平太「あの時は急に海に駆けていかれたので、驚きました」

　義経「見事な夕映えだったなぁ」

　弁慶「御曹司には振り回されてばっかりじゃ」

　久々の再会に、義経や藤平太たちの笑い声が絶えない。義時も里芋を味わった。

　壇ノ浦から一足先に鎌倉に戻った景時は「九郎殿は、戦にかけては神がかった強さを持っておられます。しかしながら、才走るあまり、人の情というものを蔑ろにされます。壇ノ浦で舟乗りを狙い撃ちしたのが良い例。一ノ谷における奇襲においても、急な崖を馬とともに下りることを皆に強いられました。勝利のためには（手を選ばぬ）」と頼朝に報告したが、人情も義理もあった義経。

　SNS上には「里芋で涙腺崩壊してしまった」「ラストで籠に盛られたあれが出てきた途端、なぜだか号泣してしまった」「義経と宗盛と清宗のシーンが（涙）」「今回は親子再会と芋煮会で号泣してしまった…出てきた当初は義経やべぇ奴だ！って思ってたけど、こんなに感情移入させる展開を持ってくるなんて…（そして感情移入させた後に突き落としてくる鬼脚本）」「義経の見え方も、場面によって大きく異なる。ただのバーサーカーというだけでなく、水手を手厚く葬ったり、宗盛に情をかけたり、無邪気に皆と芋を頬張る。今までの義経像とは違うけど、判官贔屓という言葉が確実に生まれるラストシーン」などの声が続出。反響を呼んだ。