ロシア軍は「余力ない」 専門家が今後の戦況分析「国民に示しがつかないので東部2州は落としに」

[ 2022年4月15日 16:30 ]

 ロシア政治に詳しい慶大の廣瀬陽子教授が15日、TBS系「ゴゴスマ~GO GO!smile~」(月~金曜後1・55)にリモートで生出演し、ロシア軍によるウクライナ侵攻の戦況を解説した。

 ロシア軍は多くの兵力がウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊から撤退。一方で東部は激しい攻撃にさらされ、マリウポリの陥落が時間の問題とも伝えられている。

 廣瀬氏はロシア軍の戦費など台所事情について「余力はないと思います」と分析した。そのため、ドネツク、ルガンスクの東部2州の陥落へ目標を切り替えていると指摘。「東部2州を陥落させないと、この戦争を始めた意義というものがまったくない。国民に示しがつかないところなので、とにかく無理してでも東部2州は絶対落としていくと思う」と、プーチン大統領の思惑を推測した。

 キーウについては「キーウまで手を伸ばしてしまうと、お金も兵隊も取られてしまう」とし、「ミサイルなどで威嚇するのはたびたび行われる可能性は高いですけど、直接の軍事行動はキーウのことは置いておいて、まずは東部2州を抑えていくことによって、一点集中で兵力を注力して、できる限り戦費を節約しつつ、最大の戦果を収めていく方向で進めていくと思います」と語った。

 「(ウクライナの)全土を取るスタンスでこの戦争を始めています」というプーチン大統領のもくろみは外れたとし、「勝手が違ってキーウを取れず、東部もこんなに難航している。当時の想定とまったく違う状況が起きてしまっている」と分析。「東部を取れないとなった場合は、何をしてくるか分からない状況はあると思う。取れた先は、ロシア軍にどれだけ余力があるかによると思う」と、今後の戦況を見通した。

続きを表示

2022年4月15日のニュース