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渡辺王将が止めるか、藤井時代突入か 第1局立会人の森内九段がみる王将戦

[ 2022年1月9日 05:30 ]

第71期ALSOK杯王将戦7番勝負

対局者検分に臨む藤井竜王(左)と渡辺王将(撮影・会津 智海)
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 9日、第1局が開幕する第71期ALSOK杯王将戦7番勝負。立会人の森内俊之九段(51)が史上初の3冠対4冠を展望し「藤井時代に突入するのか、渡辺王将が貫禄を見せるか」と注目ポイントを示した。また、渡辺が挑むタイトル獲得回数30期、藤井の5冠への期待も語った。

 王将戦は棋界の枠を超え、話題を提供してきた。1951年度の第1期は挑戦者の升田幸三八段が4勝1敗で勝利。当時は決着後も勝った側が香落ちで指すルールだったため、第6局は絶対的権威だった木村義雄名人が駒落ちの下手を持つ一大事になった。

 対局前日、会場を訪れた升田だが「ベルが鳴らず、誰も出てこないのは非礼」として対局拒否。一時、1年間の公式戦出場停止が決まる騒動は「陣屋事件」として賛否両論が噴出し、社会問題化した。

 94年度は羽生善治6冠が当時の全7冠制覇を目指して谷川浩司王将に挑んだ。神戸市の自宅が阪神大震災で被災し、避難所生活も経験した逆境を谷川は4勝3敗ではね返したが翌年、羽生が6冠全てを防衛して再挑戦。7冠独占を果たした。

 その羽生と同学年の好敵手・森内は、立会人を務める第1局を前に「これからが真の覇権争い。藤井時代にこのまま突入するか、渡辺王将が貫禄を見せるか」とした。

 藤井が昨秋竜王位を獲得し、4冠になったことで10代にして初の序列1位に就いた。同時に渡辺とのタイトル数で初めて優位に。「今回5冠対2冠になると差がついてしまう印象」とも語り、藤井時代へ突入するか複数冠2人による2強が続行されるかの分水嶺(れい)との見立てだった。

 18世名人資格保持者にして2003年度、王将に輝いた森内は7人が総当たりする挑戦者決定リーグに通算18期在籍した。ところが挑戦権を獲得できたのはこの1期のみ。リーグを勝ち抜く困難さを熟知するだけに、藤井の3期目での挑戦権奪取に「(同時期開催の)竜王を獲ってリーグを勝ち抜くのはかなりハード」と驚く。竜王戦は豊島将之九段から4連勝、リーグでは最終一斉対局を残しての挑戦権獲得という離れ業だった。

 渡辺が7番勝負を制すれば30期、藤井なら5冠。いずれも達成したのは大山康晴15世名人、中原誠16世名人、羽生のみで“殿堂入り”を懸けたシリーズといえる。

 30期については「凄い記録。長期間活躍しないといけないし、調子が悪くても早く切り抜けてきたからこそ」と分析。将棋ソフトを活用し、変化をいとわないその柔軟性を称賛した。
 藤井が挑む5冠については「タイトルの過半数を獲るのは何か特別なものがある」。その姿に7冠時代の羽生の面影も重ね、「苦しそうな局面でも平気で勝っていく」と共通点を挙げた。(筒崎 嘉一)

 ≪注目度抜群 マスコミ例年の5倍≫冠対4冠の頂上決戦は注目度も抜群で、異例の記者会見を開いて対応。例年は対局者への直前インタビューを5社程度で行っているが、この日は一般紙、雑誌、テレビ局など5倍にあたる約25社が訪れ、会見場後方にはテレビカメラがズラリと並んだ。報道番組など10番組以上に取り上げられるフィーバーぶりとなった。

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