第72期王将戦 1次予選1回戦が開幕し、冨田四段が勝利 チェスクロックへ変更され「積極的に」

[ 2022年1月6日 17:45 ]

 将棋の本社主催・第72期ALSOK杯王将戦の1次予選が6日、大阪・関西将棋会館で開幕し、冨田誠也四段(25)が平藤真吾七段(58)に105手で勝利した。2回戦に進出した冨田は南芳一九段(58)と船江恒平六段(34)の勝者と2回戦で対戦する。

 9、10日に静岡県掛川市で第1局が指される第71期7番勝負。渡辺明王将(37)=名人、棋王との3冠=に藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖との4冠=が挑む史上初、3冠対4冠による頂上決戦の勝者への挑戦者争いが早くもスタートした。

 第71期に続き、ALSOK(綜合警備保障)が特別協賛社として棋戦をサポート。加えて今期から予選と挑戦者決定リーグではチェスクロック方式を採用する。現行のストップウォッチ方式は1分未満切り捨てだが、チェスクロック方式では使った時間を切り捨てなしで加算し、消費時間とする。持ち時間に変更はなく予選は各3時間、挑戦者決定リーグは各4時間。

 得意の四間飛車から居飛車へ振り直し、力戦型での先行を目指した冨田。平藤の銀捨て、さらに金銀両取りの飛車回りに劣勢を意識したという。右辺から左辺での攻防に戦場が移った終盤戦、「際どい変化が多く、最終盤でやっと勝ちになった」とようやく勝利を意識したという。チェスクロックへの変更については「相手との残り時間の差が分かりやすく、意識してしまう。受け身の将棋が多かったが、先手だし積極的にと考えた」ことが奏功した。

 一昨年10月に四段昇段し、昨年は棋王戦で32強の挑戦者決定トーナメントに進出した。6月の初戦で豊島将之九段(31)に敗れたが棋聖戦では昨年11月、2次予選を勝ち抜き、16強による決勝トーナメント進出を決めた。

 「(他棋戦で)1回戦負けが多いので、そこは今年の課題。目前の一局一局を勝っていきたい」とし、第71期7番勝負の見所については「両者のタイトル戦では初めての2日制。渡辺王将がどんな作戦を繰り出されるのか、注目してます」と指摘した。

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2022年1月6日のニュース