松本哲哉教授 無料PCR検査実施の急転換に懸念「切り替えが大きすぎて混乱生じないか」

[ 2021年12月23日 20:53 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 国際医療福祉大学感染症学講座主任教授の松本哲哉氏が23日、BS-TBS「報道1930」(月~金曜後7・30)に生出演し、新型コロナウイルスのオミクロン株の市中感染例が確認されたことに伴う無料のPCR検査について、私見を語った。

 大阪府の吉村洋文知事はこの会見で、小学生の男児が感染したと報告。小学校のクラスメート3人もコロナ陽性で、現在ゲノム解析中と明かした。22日に感染が分かった小学校教員とは接点がなく、別ルートの市中感染とみられる。また京都府でも、20代女性のオミクロン株感染が分かった。こちらも海外渡航歴などがなく、市中感染とみられる。沖縄でもキャンプ・ハンセンで感染が確認されるなど、県内への拡大が懸念されている。

 岸田文雄首相はこの日、オミクロン株への感染対策が特に必要なこの3府県を対象に、希望者に無料で検査を受けられるようにする方針を示した。これについて松本氏は、「今まで正直言って、日本は検査に対して積極的ではなかった」とし、「本来であれば、他の国を見てもいろんなところで検査できる場所があって、そこに行けばできるよとやってる国もたくさんありますけど、日本は残念ながらそういったところがない」と指摘した。

 吉村知事は、府内の100カ所以上の薬局や民間検査機関などで、24日から無料検査を実施すると発表している。松本氏は「急にやると。しかも相当なレベルの『無料でやりますよ』ということになると、本来であれば望ましいのは医療機関だと思う」とコメント。「これを薬局でとなると、薬剤師の方たちも自分たちのところに来るのかと。説明をして、やっていただいて、結果も医師でなく薬剤師が判断することになるかもしれない」と、現場の負担過多を心配した。

 これまでの方針と逆行するような大がかりな検査に、松本氏は「あまりにも今までやってなかったことが、急に積極的にやるということの切り替えが大きすぎて、混乱が生じないのかなということが心配です」と懸念を示した。

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2021年12月23日のニュース