渡辺王将が藤井竜王撃破 1月王将戦へ弾み「大きな一局だった」銀河戦決勝T準決勝

[ 2021年12月15日 05:30 ]

第29期銀河戦決勝トーナメント準決勝で対局する藤井聡太銀河(左)と渡辺明王将(C)囲碁・将棋チャンネル
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 将棋の第29期銀河戦決勝トーナメント準決勝が14日、囲碁将棋チャンネルで配信され、渡辺明王将(37)=名人、棋王含め3冠=が前期覇者・藤井聡太銀河(19)を106手で破り、決勝(23日配信)に進出した。

 収録日は3カ月前の9月14日で、くしくも来年1月開幕の第71期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負と同カード。藤井は前日に叡王を奪取し、王位、棋聖を含む史上最年少3冠になったばかりで、王将戦の挑戦者決定リーグ開幕直前のタイミングで行われた。

 振り駒で先手は藤井に決定した。この時点まで先手番では年間23局中、敗れたのは6月29日の王位戦7番勝負第1局(対豊島将之竜王=当時)だけ。通算22勝1敗と圧倒的な成績を残し、先手番11連勝中で迎えた渡辺戦だった。

 角換わりの戦型となった対局はしかし、3冠を誇る渡辺が中盤から徐々にリードを奪い、粘る藤井を突き放した。この対局前には棋聖戦5番勝負で3連敗を喫するなど藤井相手に通算1勝8敗と劣勢だった渡辺は、意地の通算2勝目を挙げ「藤井さんとはこれからも対戦を避けて通れない相手。大きな一局という位置づけだった」と振り返った。

 両者の次回対決は王将戦第1局(1月9、10日=静岡県掛川市)が舞台となる。銀河戦では渡辺に敗れた藤井も、その後先手番で9連勝中と好調を維持。年明けから始まる3冠対4冠の頂上決戦が今から待ち遠しい。

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2021年12月15日のニュース