西城秀樹さん 最新リマスター映像で魅力が浮き彫りに

[ 2021年10月1日 08:30 ]

1985年、日本武道館で歌った西城秀樹さん(C)ソニー・ミュージックダイレクト
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 【牧 元一の孤人焦点】2018年に亡くなった歌手の西城秀樹さんの魅力が、NHK・BSプレミアム「伝説のコンサート 西城秀樹・デビュー50年スペシャル」(2日後7・30)で浮き彫りになる。

 歌手としての軌跡をたどる第1部と、1985年の日本武道館公演の最新リマスター映像の第2部で、計3時間20分。NHKエンタープライズの原田秀樹・エンターテインメント部部長は「アイドルとしてデビューしてから、日本を代表するエンターテイナーに駆け上がっていく様子を、当時を知る人ならば誰もが聞いたことのあるメロディーとともに楽しんでいただきたい」と話す。

 同局の「伝説のコンサート」は既に人気シリーズとして定着。最初に、歌手の山口百恵さんが1980年10月に日本武道館で行ったコンサートの最新リマスター版が昨年10月にBSプレミアム、今年1月に総合テレビで放送され、大きな反響を呼んだ。

 原田氏は「今回は秀樹さんのデビュー50年スペシャルとして2部構成にした。長年にわたって秀樹さんをご担当されているマネジャーさんに今回の企画をお伝えしたところ、快く協力していただいた。1部はNHKや民放などにある1970年代の出演映像をリマスターし、ヒストリーとともにお届けする。2部の1985年の日本武道館公演の映像はマスターテープをお借りして4K画質相当のリストアを施した」と話す。

 85年の日本武道館公演は、50枚目のシングル「一万光年の愛」の発売を記念して開催されたもの。72年のデビュー曲「恋する季節」から、「情熱の嵐」「ちぎれた愛」「傷だらけのローラ」「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」など全てのシングル曲を歌った。

 原田氏は「当時の秀樹さんは髪を短くしてアダルトな雰囲気。第1部から見ていただくと、シンガーとして円熟期を迎えられた様子がよく分かる」と説明。この番組であらためて浮き彫りになる魅力に関して「こんなに熱い人はいない。ポジティブなエネルギーが凄い。歌声に独特の色気がある。ブラス・ロックが流行している時はブラスっぽい要素、ディスコが流行している時はディスコっぽい要素など、その時代ごとのサウンドを取り入れているが、いずれも『秀樹サウンド』としか表現しようのない強いイメージを作り出している。のちの日本のロックの人たちにも影響を与えただろう。今、ファン以外の方々がご覧になってもインパクトがあると思う」と話す。

 秀樹さんが亡くなって3年が経過。長年にわたって応援して来たファンも、同時代を過ごした人々も、この機会に伝説を知ろうとする若い人たちも、そろって楽しめる番組だ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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