文枝、仁鶴さんに「どう考えても勝てないわけですよ」追悼番組で吐露したその凄さとは

[ 2021年8月29日 08:00 ]

落語家の笑福亭仁鶴さん
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 今月17日に骨髄異形成症候群のため84歳で死去した落語家・笑福亭仁鶴さんの追悼特別番組「追悼 笑福亭仁鶴さん~天国ってどんなんかなー~」がMBSテレビで28日、放送され、落語家・桂文枝(78)がその偉大さを語った。

 落語家としては4年後輩にあたる文枝。同局で1969年に放送開始した「ヤングおー!おー!」で共演していた当時について、「1人で笑いをガツっと取って、人を引きつける仁鶴兄さんに、僕らは束でかかっていく感じだった」と回想。「プロになってお客さんを前にしてたたみ込む感じは、到底かなわなかった。(仁鶴さんとは)違う方、違う方へ(進もう)という感覚がありました」と、同じ土俵で戦っても勝てないという思いがあったことを明かした。

 落語についても、「小噺(ばなし)を積み重ねていくが、合間で挟む言葉も、小噺の並べ方もうまい。“エロ仁鶴”と呼ばれた兄さんのエッチ系のネタが、大人のお客さんにはウケた」と評した。

 さらに「顔ですね。あの顔にはどう考えても勝てないわけですよ」と吐露。仁鶴さんは、ネタ中に見せる愛きょうたっぷりのおどけた表情で、たびたび観客の爆笑をさそった。「ああいう顔に生まれたかったなあ…と。大先輩に相談したこともあるんですよ。そしたら『顔だけでは何分間も笑わされへんで。中身もいるで』と。仁鶴兄さんは、顔と中身を備えてはったと思います」と語った。

 また、落語でもメディアでも自在に活躍した仁鶴さんの姿に、「みんなが引っ張られ、いろんな道で個性を磨いていったと思います」と、上方落語界を導いた功績を称えていた。

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