藤井棋聖 防衛から一夜 色紙に「初心」 連戦も鉄道での移動「楽しみに」

[ 2021年7月4日 10:16 ]

<棋聖戦藤井聡太一夜明け会見>色紙に「初心」と記した藤井棋聖(撮影・島崎忠彦)
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 3日に静岡県沼津市で行われた将棋の第92期棋聖戦でタイトルを防衛した藤井聡太棋聖(18)=王位との2冠=が一夜明けた4日、記者会見した。

 ――初防衛から一夜明けての心境は?昨年と比べて何か違いは?
 「昨年の棋聖戦はタイトル戦そのものが初めての体験で、なかなか実感がわかないところもあった。今回は防衛戦ということでタイトルの重みを感じながらの戦いでもあり、その中で結果を出せたのは大きなことでした」

 ――今朝は色紙に「初心」としたためた。
 「今回、防衛することができたんですが、その結果に満足することなく、初心に戻って前を向いていきたいという気持ちを込めました」

 ――昨夜はゆっくり休めた?
 「12時ごろ寝て、7時ごろ起きました。普段と同じく7時間くらい寝られました。(対局の)終盤に難しいところが多かったので、そのあたりは少し考えていました」

 ――今後は豊島将之竜王との王位戦、叡王戦。藤井棋聖にとっての位置づけは?
 「豊島竜王はこれまでの対戦成績でも大きく負け越していて、強さを感じている。今回、最多で12局指せる。自分にとっていい機会。その中で新たな発見や手応えがあればいいかなと」

 ――藤井棋聖にとって「強さ」とは?
 「他の方との比較ではなくて、それぞれの局面において、より最善に近づいていきたいという気持ちがあります」

 ――次週は順位戦、竜王戦と大事な戦いが続く。
 「(順位戦の)久保九段と(竜王戦の)山崎八段は、2人とも他の方には真似できない将棋を指される方。そういった指し回しに自分も対抗できるようにしっかり集中して臨めればと思っています」

 ――昨夜、師匠の杉本八段、または家族と連絡は?
 「今のところ、こちらから連絡は入れてないんですけど、師匠からはおめでとうとメールをいただきました」

 ――師匠を上回る九段となったことは?
 「(しばし長考)師匠以上の活躍をするのが恩返しと言われる。そういう意味では今回結果を出せたことはいい報告になるのかなと。きのうの将棋の終盤についてメールで書かれていて、それを見て自分もそれを考えてみました」

 ――昨年8月以来となるタイトル戦での和服姿について。
 「和服対局はかなり回数も増えてきて、慣れてきたところはあります。着付けは今後覚えていければ。タイトル戦で和服はひとつ注目していただけるポイント。ある程度自分の個性を出していきたい」

 ――タイトルの重みとは具体的に?
 「そういった気持ちがプレッシャーになってしまうと良くないと思う。今回の棋聖戦に関してはほどよい緊張感のなかで戦うことができました」

 ――コロナ禍でタイトル戦の前夜祭がなくなるなどファンとの交流場面が減ってしまったが。
 「ファンの方に楽しんでいただく機会が減ったのは残念。ただその中でインターネットの中継が非常に充実してきている。今までと違う形で楽しんでいただける機会が増えてきたと思っています。自分にとって前夜祭などは経験のないことなので、開催できることを心待ちにしています」

 ――自分の課題が見つかってモチベーションになると話していたが、具体的には?
 「将棋は一局指す毎に全く違う局面になるゲーム。その中で今までにない手、自分の感覚にない手というのはモチベーションになっています。先日の王位戦第1局でも部分的な手筋があっったのですが、その時の陣形ではうまくいかず、対局中はその形の違いを判断できなかった。そういった新しい発見というのも大事にして、自分で理由付けして取り組んでいきたいです」

 ――コロナの状況が落ち着いたらやってみたいこと、行ってみたい場所、乗ってみたい鉄道などは?
 「(再び長考)最近は鉄道に乗る機会も少ないんですけど、王位戦第2局で少し乗る予定ですので、そこは楽しみにしたいなと。他にもいろいろ乗ってみたいところはあるので、機会があれば行ってみたいと思っています」

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2021年7月4日のニュース