宇多田ヒカル エヴァの曲書いて変わった亡き母・藤圭子さんへの思い 子供が遺影に「ばあちゃんかわいい」

[ 2021年6月27日 18:29 ]

シンガーソングライターの宇多田ヒカル
Photo By スポニチ

 シンガーソングライターの宇多田ヒカル(38)が27日、自身のインスタグラムを更新。新曲を書き下ろしたアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」総監督の庵野秀明氏(60)とのインスタライブ後に公開したアーカイブの中で、2013年に他界した母で歌手の藤圭子さん(享年62)への思いを語る場面があった。

 小さい頃に母を亡くし「母が亡くなって10年、ここ最近の方が悲しいし、寂しい。再会がかなわない人への思いをどう断ち切るか助言してほしい」というフォロワーからの質問に答えた。

 断ち切らなければいけないということはないというスタンスで「生きてる限り、お母様との関係は続くし、あなたの人生が進んでいくし、関係が変わることもあると思う」と語り、「私も母が亡くなって8年だけど、最近になって出てきた気持ちもある。当時、一気に感じちゃってたら耐えられないような強烈な体験をしてしまった時、体が一部を保留するという機能があると思うのね。だから最近になって悲しいとか寂しいとか思うのは、感じる準備ができてきたのかなと思う」と語りかけた。

 宇多田自身、母の死からどうやったら前に進めるかを模索し続けてきたという。「エヴァの最後の脚本もらって曲書き出した時に、喪失感とか悲しみを断ち切るとか置いて前に進むってことはないんだって。なぜならそれが自分の一部だから。自分の一部を切り捨てて、前に進んだところで別の喪失が生まれるだけ。別の喪失を断ち切ろうとか埋めようとかでぐるぐるまわってるだけだと思った」と考えたという。

 さらに「悲しい気持ちとかいろんな思い出とか喪失感とかはずっとあるかもしれないんだと思って。大事に抱えて、大事に生きていこうって思った瞬間に母親にもらったプレゼントを大事にしているみたいな気持ちに切り替わった。初めて自分がちょっと自由になった気がして、母親も自由にしてあげられた気がして。ちょっと前に進めた気がした」と意識が大きく変わった瞬間があったことを明かした。

 母亡き後「なかなか母親の写真が飾れなくて。飾りたいんだけど、自分がどう反応するかわかんなくて怖くて」と写真が飾れなかったという宇多田。「でも7年くらいたってやっと飾るようになったら、うちに来た友達とかが“これお母さん?ヒカルかと思ったー”って言われたり、子供も、“ばあちゃんかわいい”とか話しかけるようになって、私の中で母親との関係が変わったの。だから、わかんないもんだよ、どうなるかは」と自身の体験を振り返った。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月27日のニュース