「青春アミーゴ」はわざとダサい詞に…作詞家が明かすヒット裏話「違和感を感じるので、そのギャップで」

[ 2021年5月28日 14:04 ]

 「青春アミーゴ」、「抱いてセニョリータ」など大ヒット曲を生み出した作詞家のzopp氏(41)が、27日深夜放送のテレビ東京系「じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~」(木曜深夜0・12)にゲスト出演し、両楽曲の誕生秘話を明かした。

 もともと音楽関係の会社で営業をしていたzopp氏。関係者からいじり半分の「君は何してるの?」という問いかけに「趣味で作詞はやってます」と答えたところ、楽曲採用のコンペに参加するよう勧められたことが、作詞家挑戦のきっかけだったという。とはいえ、「500とか600とか集まるコンペを毎回受けて、戦って負ける」を繰り返し、「初めて採用されるまでは200以上落ちてる」と苦難の道のりを振り返った。

 転機は05年に発売された「青春アミーゴ」だった。もともと同シングルのカップリング曲のコンペに参加していたzopp氏は、「自由に書いていいよ」という指示に、「聞いた曲のイメージを生かしながら、昔から書いてみたかったハードボイルドな感じの歌詞を書いてみようと思って書いた」という。ところが、「すごく先方に気に入られて、『急きょA面をこっちに替えます』と」、まさかの表題曲に昇格。日本テレビ系ドラマ「野ブタ。をプロデュース」に出演した亀梨和也、山下智久のユニット「修二と彰」が歌うシングル曲で、ドラマも大人気に。相乗効果で162・9万枚もの大ヒットを記録した。

 06年には、山下のシングル曲のコンペにも参加。たまたま自分の事務所に打ち合わせに来た山下から、「Bメロのところにセニョリータとか入れたらいいと思うんだよね」とアドバイスされたという。zopp氏は「『入れる?そこに』と思いながら、でもおもしろそうだなと思って」と懸けてみることに。「アミーゴ(友達)」と「セニョリータ(お嬢さん)」とスペイン語つながりであることから、「じゃあ『青春アミーゴ』の続編を作ってみたらいいのかもなって。『修二と彰』のストーリーの後日談みたいなものを作ろうと思って」。コンセプトが決まって作詞もスムーズに進み、「1番とかは20分とかで(作詞した)。時給にしたら一番高い作品」と明かし、出演者を驚かせた。

 ヒット曲を生み出す秘訣として、zopp氏は「ファンの方々はかっこいいものをかっこよく歌って欲しいと思う」とファン心理を理解した上で、「僕らがディレクターさんとかから言われることって『ヒット曲を作ってくれ』なんで。ヒットするってなると、ファン以外の方が聞いてくれないとヒットはしない」と説明した。

 「青春アミーゴ」には、「地元じゃ負け知らず」などと、わざとダサい詞を入れている。「かっこいい人がちょっとダサいことをやっていると、違和感を感じるので、そのギャップで思わず聞いてしまうだろうなというのもあった」と、狙いを明かした。他にも「ネガティブな詞」、「替え歌にしやすい」など、ヒットしやすい作詞テクニックを挙げていた。

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2021年5月28日のニュース