「おちょやん」最終回18・4% 12年ぶり一度も20%超えなし 8年ぶり期間平均17%台も終盤は好評

[ 2021年5月17日 09:10 ]

東京・渋谷のNHK社屋
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 女優の杉咲花(23)がヒロインを務めたNHK連続テレビ小説「おちょやん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)の本編最終回(第115話)が14日に放送され、平均世帯視聴率は18・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが17日、分かった。番組最高は第65話(3月5日)の18・9%で、大台20%には一度も届かず。20%超えの回が一度もない朝ドラは2009年前期「つばさ」(番組最高17・7%)以来、約12年ぶりとなった。全115話の期間平均は17・4%で、朝ドラの期間平均17%台は12年後期「純と愛」(17・1%)以来、8年ぶり。それでも終盤3週は伏線を回収してSNS上で反響を呼び、好評を博した。

 朝ドラ通算103作目。タイトルの「おちょやん」は“おちょぼさん”が訛り、茶屋や料亭などで働く小さい女中さんを意味する大阪ことば。女中奉公の8年間がヒロインの原点になっていることの象徴として採用された。TBS日曜劇場「半沢直樹」(13年)「下町ロケット」(15年)「陸王」、テレビ朝日「家政夫のミタゾノ」などのヒット作を生んだ八津弘幸氏(49)朝ドラ脚本初挑戦したオリジナル作品。明治の末、大阪・南河内の貧しい家に生まれた少女・竹井千代(杉咲)が芝居の世界に魅了されて女優を目指し、のちに「大阪のお母さん」と呼ばれる上方のコメディエンヌになる姿を描いた。

 最終回は、女優・竹井千代(杉咲)が再び道頓堀の舞台に立つ日を迎えた。客席には春子(毎田暖乃)や岡福うどんのシズ(篠原涼子)たち家族はもちろんのこと、長澤(生瀬勝久)や当郎(塚地武雅)をはじめとしたラジオドラマの出演者・スタッフまで、千代の晴れ舞台に駆け付けた。舞台「お家はんと直どん」は始終笑いに包まれながら、千代と一平(成田凌)の2人の場面に突入し…という展開だった。

 初回(昨年11月30日)は18・8%。朝ドラ初回の20%割れは17年前期「ひよっこ」(19・5%)以来、7作ぶり。18%台は12年前期「梅ちゃん先生」(18・5%)以来、約8年ぶりと苦戦スタート。以降も17~18%台で推移。第14週「兄弟喧嘩」(3月8~12日)以降は週平均16%台に下がった。千代が“朝ドラ史上最低”の声も出た父・テルヲ(トータス松本)に振り回され、幼少期に生き別れて再会した弟・ヨシヲ(倉悠貴)は組織の手先として劇場に放火をしようとし、夫・天海一平(成田凌)には劇団員・灯子(小西はる)と不倫されるなど暗く、重苦しい展開が続いた。

 しかし、ラスト3週となった第21週「竹井千代と申します」(4月26~30日)以降のラジオドラマ編は、長年にわたって千代に花籠を贈ってきた主が継母・栗子(宮澤エマ)だったと明らかになるなど伏線を回収。リアルタイムの世帯視聴率には結び付かなかったが、SNS上の話題を集めた。コロナ禍により約2カ月遅れの11月30日スタートとなった不利や、配信サービス「NHKプラス」の影響を苦戦の要因に挙げる指摘もある。

 前作「エール」最終回(21・8%)と世代別の数字を比べると、「おちょやん」最終回(18・4%)は朝ドラ視聴者メイン層のF4層(女性65歳以上)が6・8ポイント、M4層(男性65歳以上)が2・8ポイント減。減った分は主にテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)に流れている。

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