時代を映した「渡鬼」橋田寿賀子さんの若い感性 五月がユーチューバーに コロナ禍の家族の形に関心も

[ 2021年4月5日 19:30 ]

CD「渡鬼音頭」完成記者発表会を行うTBSドラマ「渡る世間は鬼ばかり」のレギュラーメンバーと橋田寿賀子さん(前列右から3人目)2003年12月09日撮影
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 「おしん」「春日局」「渡る世間は鬼ばかり」などテレビ史にさん然と輝く名ドラマを数多く手掛けた脚本家の橋田寿賀子(はしだ・すがこ、本名岩崎寿賀子=いわさき・すがこ)さんが4日午前9時13分、急性リンパ腫のため静岡県熱海市の自宅で死去した。95歳。ソウル生まれ。故人の遺志により葬儀・告別式は行わない。中でも1990年にスタートした「渡る世間は鬼ばかり」は近年も橋田さんの若い感性で描かれた、時代を映すホームドラマだった。

 橋田さんと石井ふく子プロデューサー(94)は2019年、令和初回(9月16日放送、3時間スペシャル)の会見に出席。橋田さんは「2人で200歳ですよ。もう、やんなっちゃう」と笑ったが、その感性はまだまだ若かった。ブログやおやじバンド、在宅介護など、その時代の話題になったものをストーリーに落とし込んできたが、泉ピン子(73)演じる五月がユーチューバーとしてデビュー。新時代に即した“渡鬼”になった。

 番組公式サイトのインタビューでも、橋田さんは次回作について「書きたいことはありますし、書けと言われれば書きますが、先のことは分からないので、来年の約束はしないようにしています(笑)。個人的にはスマホの研究をしたいですね。フェイクニュースなんて面白いですもんね」と意欲。

 石井プロデューサーも「これから先、(登場人物の)若い人たちの間にいろいろ出てくると思います。時代が変わりつつある中で、家族のあり方も変わっていくでしょうが、それを橋田さんがどういうふうに受け止めてお書きになるか。私はまだまだたくさんお書きになれると思っています。楽しみにしていただきたいです」と語っていた。

 この日、追悼コメントを発表した石井プロデューサーは「橋田さんは現在のコロナ禍の状況を見て、そこで感じた家族の形を書きたいとおっしゃっていました」。前作から1年半。現在の日本の家族は、橋田さんにどのように映っていたのか。

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2021年4月5日のニュース