扇千景さん「議員辞めてから、べったり10年間新婚でした」夫・坂田藤十郎さんとの思い出語り何度も涙…

[ 2021年2月11日 16:35 ]

扇千景さん
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 元女優の扇千景さん(87)が11日放送のテレビ朝日「徹子の部屋」(月~金曜後1・00)に出演。昨年11月12日、老衰のために死去した夫で人間国宝の歌舞伎俳優・坂田藤十郎さん(享年88)について、何度も涙をぬぐいながら語った。

 藤十郎さんが亡くなってから、「マスコミに出るのは初めて」という。現在の心境は「まだ駄目ですね。結婚して63年。だからまだ(悲しみから)抜けきれませんね」。率直な思いを口にした。

 自らは政治家として参院議長も務めた。議員生活に触れ「30年間、国会議員で主人のことをゆっくりみてあげるような暇もなかった」と振り返り、「国会議員を辞めてからは、べったり10年間、新婚でした。それが余計、胸につかえてね」と話し、涙をこぼした。

 現在は息子夫婦と同居する「3世帯8人家族」。子どもや孫に助けられ「寂しさがちょっとは。癒やされています」と感謝した。それでも、夫の遺品などに触れたときなど「ここで一緒だったって思うのがダメ」とも。特に悲しみが襲ってくるのは入浴の際で、「一緒にお風呂に入っていたのが、それが今1人ですから。そういう時に1人だなって思うのがダメなんですよね、すいません、だらしなくて」と目頭を押さえた。

 舞台で完璧な仕事をこなす一方、自宅では「何もできない人」と藤十郎さんを表現した。正確は温厚そのもの。「一度も怒ることがありませんでした、怒るのはいつも私」「一度も(藤十郎さんが)嫌だって言ったことがないですから」と打ち明けた。

 愛情表現もオープンだったそうで、「毎日、好きだとか、好き好き同士だとか、いつでもそういうこと言ってくれるんです。私それに惑わされていたのかな」と笑った。

 夫の位牌には「もう少し迎えに来ないでね、しばらくすることがいっぱいあるからね」と頼んでいる。「もう少し頑張ります、すぐ迎えに来られると困っちゃうから」と話した。

 同じ1933年生まれ、司会者の黒柳徹子(87)は涙ながらに語る扇さんに対して、「普段、気張ってらした方が、涙をお流しになるってことは本当に悲しんだろうなって思います」と気遣い、「たくさんの方がきっとあなたの心を、おなぐさめしようと思っていますので」とエール。扇さんは「ごめんなさい。ありがとうございます」と返し、謝意を示した。

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2021年2月11日のニュース