前DeNA監督のラミレス氏 ダウン症の長男は「誇り」 妻を救った言葉「何の問題があるの」

[ 2021年2月8日 22:58 ]

DeNA・ラミレス前監督
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 プロ野球・DeNAの前監督、アレックス・ラミレス氏(46)が8日放送の日本テレビ「人生が変わる1分間の深イイ話」(月曜後9・00)に出演。妻の美保さん(38)とともに、長男の「ダウン症候群」について語った。

 2015年4月に誕生した長男・剣侍(けんじ)くん(5)は、生まれた直後に「完全型房室中隔欠損症(かんぜんがたぼうしつちゅうかくけっそんしょう)」と診断された。通常心臓には4つの部屋を分ける壁があるものの、剣侍くんは左右を分ける壁がなく、上下2つの部屋しかないため、血液の循環が悪く、呼吸困難や心不全によって命を落とす危険性があった。ダウン症によく見られる合併症の1つだった。

 出産直後に長男に対し「私はスペシャルニーズ(特別な支援や配慮が必要な人)のお母さんになれるのかと、とにかく泣いた」というパニック場だった美保さんだったが、それを落ち着かせたのはラミレス氏の言葉だった。

 「ダウン症かもしれないし、ダウン症じゃないかもしれない。でもそれに何の問題があるの。今日あなたはこんなに大変な出産をして、こんな素敵な子どもが生まれた。そこに何の問題があるの」。

 長男誕生から約半年後、ラミレス氏はDeNAの監督に就任。北海道から九州までDeNAの全試合を3年間、美保さんと剣侍くんを同行させた。遠征中の移動で選手と会ったりした際に剣侍君のことを紹介、ダウン症であることも包み隠さず話していた。当初戸惑いもあった美保さんだが「誇りを持って自分の子どもを紹介している姿を見たら、誇っていいんだなと思った。紹介したいなと思うようになった」と心境が変わったという。

 「子どもを誇りに思っているし、愛している。何も隠す必要がない」というラミレス氏。ダウン症の子を生んだ親に対してのリアクションは「『かわいそう』と『大変そうです』という表情での『おめでとうございます』の2つ」と指摘したが、最高の言葉は「『かわいい』これだけでOK」と話した。

 ラミレス氏は現在、ダウン症の子どもたちを支援する団体を設立。「自立するダウン症の人は少ないので、一人で生きていけるようサポートしたい」とし、剣侍くんの水泳選手になりたいという夢を応援している。

 

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2021年2月8日のニュース