「映画秘宝」“恫喝DM”騒動 発行元・双葉社も謝罪「個人情報の取り扱いに慎重さを欠いた対応」

[ 2021年1月26日 20:45 ]

 月刊映画雑誌「映画秘宝」を発行する双葉社は26日、編集長・岩田和明氏による“恫喝DM”騒動について公式サイトで謝罪した。「映画秘宝」サイドは「この件に関しては発行元である株式会社双葉社は一切関与しておりません」としていたが、双葉社も合同会社オフィス秘宝とともに責任を負う形に。また、岩田氏が被害者に直接、電話連絡したことも問題視されているが「当該事案についての個人情報を含めた情報共有の過程においても、その取り扱いについて弊社としても慎重さを欠いた対応となってしまいました」とした。

 事の発端は今月5日、岩田氏がTBSラジオ「アフター6ジャンクション」(月~金曜後6・00)の特集コーナー「ビヨンド・ザ・カルチャー」に出演。この日は韓国映画特集だったが、後日、その感想をつぶやいた一般ユーザーの「映画秘宝にあまりいいイメージがない」という主旨のツイートを“苦言”と捉えた岩田氏が「過労の中で一方的に頭に血がのぼってしまい、憤りを感じてしまった」ため、「今、心の底から深く深く心が傷付き、胸が張り裂けそうなほど大きなショックを受けて、死にたいです」などと記したDMを17日に送付。被害者がDMの内容を公開し、インターネット上で物議を醸していた。

 25日夜、岩田氏が雑誌の公式ツイッターで謝罪。一夜明けた26日朝、合同会社オフィス秘宝取締役・田野辺尚人氏、映画秘宝編集部一同、映画秘宝相談役・町山智浩氏、柳下毅一郎氏の連名の書面を公式ツイッターに掲載し、再び謝罪。「恫喝的発言」「雑誌という公共性を持ったメディアが個人に対して攻撃を加える行為を、断じて許せない」「『映画秘宝』は映画から、差別や暴力の恐ろしさを学び、その上で弱者に寄り添うことを編集上のポリシーとして雑誌の制作を続けてきておりました。今回の岩田の行為は、本誌の心情と真っ向から対立する、許しようのない行為」と断罪した。

 「『映画秘宝』についてのお詫び」と題した双葉社の発表は以下の通り。

 雑誌「映画秘宝」は発行元である弊社と編集作業を行う合同会社オフィス秘宝との協力の下、発行させていただいております。制作・運営においては、双方で情報を共有し、適切な対応を心がけてきたにもかかわらず、このたび「映画秘宝」の編集長が、雑誌の公式ツイッターアカウントから個人に対し、悪質なDM(ダイレクトメッセージ)を送付してしまいました。また当該事案についての個人情報を含めた情報共有の過程においても、その取り扱いについて弊社としても慎重さを欠いた対応となってしまいました。

 弊社は発行元として、今回の事案が発生したことを大変重く受け止め、当該個人の方に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

 今後は「映画秘宝」公式ツイッターアカウントでの私信を禁じるのは当然として、私信にあたらないDMについても、送信前に複数人がチェックする等SNSの運用・管理を厳格に行い、個人情報の取り扱い方、情報共有のあり方についても最大の注意を払い、再発防止に向け、全力で取り組んでいく所存です。

 なお、本件についての責任は弊社及び合同会社オフィス秘宝にあり、当該個人の方に対してのネット上等の誹謗中傷の行為については厳に慎んでいただきますよう心よりお願い申し上げます。

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