松本幸四郎 コロナ禍で切り開いた歌舞伎の新たな可能性

[ 2021年1月19日 10:00 ]

博多座で上演される「二月花形歌舞伎」の見どころを語る松本幸四郎(撮影・岡田 丈靖)
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 博多座2月公演「二月花形歌舞伎」に出演する松本幸四郎(48)が、本紙の独占インタビューに熱く語った。昨年は新型コロナウイルスが感染拡大する中、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」で「図夢(ズーム)歌舞伎」をオンライン配信し、歌舞伎界を盛り上げてきた。3年ぶりとなる博多座での公演で、よりパワーアップした姿を見せると意気込んでいる。

 襲名公演以来3年ぶりに幸四郎が博多座に帰ってくる。母親の出身地・福岡での公演ということもあり、「前回うかがったときよりも、大きくなって乗り込みたいと思って過ごしてきた。いろいろな役ができるのが今から楽しみ」と胸を高鳴らせている。

 昨年は歌舞伎の新たな可能性を感じた年だった。コロナ禍で3月に予定していた歌舞伎座の公演が中止となった。以後の公演もなくなり、「このまま歌舞伎がなくなってしまうのではないか」と危機感を抱いたという。

 そこで考えたのが400年の歌舞伎の歴史では初めての試みとなるオンラインでの配信だ。主演、構成、演出を担当し、第1弾として「忠臣蔵」を配信した。故人で、祖父の初代松本白鸚の舞台映像とリアルタイムで演じる幸四郎とで39年ぶりに“共演”。「映像歌舞伎に可能性があるなと確信できた。江戸時代の歌舞伎役者と共演することも可能だと思った」。一方で映像歌舞伎と実際に観劇する歌舞伎の「両方が存在して続けていってほしい」という思いを強くした。

 コロナ禍の稽古は密を避けるため、オンラインで行うことが多かった。音楽を使った歌舞伎で、役者と奏者が現場で呼吸を合わせることもできない。そんな中、録音した音楽に合わせ自宅で稽古をするなど試行錯誤してきた。厳しい環境は今も続くが、常にポジティブだ。「歌舞伎の役者は平均して(年に)10カ月舞台に立っている」。これまで積み重ねてきたもので、カバーできるという自負がある。

 オンライン歌舞伎などの新しい試みを通じて「こんなことできたら格好いいな、という気持ちを持っておくこと」を学んだという幸四郎。「人間って自分でも考えられない力を発揮したりする。少しでも前進する気持ちでいたいですね」。チャレンジを続けながら、今年も歌舞伎界を盛り上げる。

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