「エール」裕一、盟友・池田と突然の別れ 北村有起哉が熱演「戦後編」けん引

[ 2020年11月25日 08:20 ]

連続テレビ小説「エール」第118話。舞台「放浪記」について語る池田(北村有起哉・中央)(C)NHK
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 俳優の窪田正孝(32)が主演を務めるNHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は25日、第118話が放送され、俳優の北村有起哉(46)が好演してきた劇作家・演出家の池田二郎との突然の別れが主人公・古山裕一を襲った。

 朝ドラ通算102作目。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(40)以来、約6年ぶり。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909―1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。

 第118話は、1964年(昭39)東京オリンピックの開会式を飾るオープニング曲を依頼された裕一(窪田)。開幕が迫る中、なかなか曲を書こうとしない裕一に音(二階堂)は気をもむ。ある日、音から相談を受けた木枯(野田洋次郎)が古山家にやってくる。その場にいた鉄男(中村蒼)のほかに、久志(山崎育三郎)藤丸(井上希美)も集まり、皆が歌い、騒いで盛り上がる。その時、裕一はある思いに駆られ…そして、ついに東京オリンピックの幕が開ける…という展開。

 <※以下、ネタバレ有>

 裕一は開会式の入場行進曲「オリンピック・マーチ」を完成。国立競技場に音と赴き、開会式を見守る。鉄男は福島の恩師・藤堂先生(森山直太朗)のお墓へ。開会式の中継が流れるラジオを墓石に置き、裕一の偉業を報告した。

 語り(津田健次郎)「オリンピック以降、裕一は池田とのコンビで数々の舞台音楽を手掛けていきました。そんな日々が10年続いたある日」

 「道頓堀」の原稿を書き上げた池田が突然、倒れる。

 裕一は盟友との日々を思い返す。舞台「放浪記」、そして池田は裕一とオペラの構想を温めていた。

 語り「池田を失った裕一は何度か他の人との仕事に取り組みますが、情熱は戻ってこず、第一線から退いていきました」

 戦時歌謡の旗手だった裕一は戦意高揚のための自分の曲が若い人の命を奪ったと自責の念にさいなまれ、戦後、曲が作れなくなっていた。しかし、池田と出会い、敗戦からの復興を真っ向から描くラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の音楽を手掛け、主題歌「とんがり帽子」を完成。復活を遂げ、平和への祈りを込めた名曲「長崎の鐘」を生み出した。

 池田のモデルとなったのは「菊田一夫演劇賞」にも名を残す劇作家・作詞家の菊田一夫氏(1908―1973)。北村は「演劇人にとっては、大変なビッグネーム。生前の頃をご存知の方もいらっしゃるので、実在の人物を演じるのは難しいこともありますが、今回は戦後から登場するキャラクター。逆に開き直って、違う惑星から新しい生命体がやってきて、別の物語が始まるぐらいの感じで取り組んでいった方がいいと直感しました」とパワフルに熱演。「戦後編」をけん引した。

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