豊島将之竜王、永瀬拓矢王座を破り日本シリーズJT杯優勝 4年ぶり2度目

[ 2020年11月22日 17:19 ]

将棋日本シリーズJTプロ公式戦で4年ぶり2度目の優勝を果たした豊島将之竜王
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 将棋のJTプロ公式戦は20日、東京都渋谷区のシャトーアメーバで決勝を行い、豊島将之竜王(30)=叡王との2冠=が135手で永瀬拓矢王座(28)を下し、2016年以来4年ぶり2度目の優勝を果たした。賞金500万円を手にした豊島は「活躍されている3名の棋士に勝って優勝できたことは自信になった。これからも頑張っていきたい」と喜びの心境を語った。

 2020年を代表する対戦カードと言っても過言ではない、豊島―永瀬戦。第5期叡王戦七番勝負に続き、またしても大舞台では豊島に軍配が上がった。本局の戦型は、永瀬が「作戦でした」と話す四間飛車。しかし、豊島にとっては「永瀬さんは王将リーグ(10月26日の藤井聡太2冠戦)でも四間飛車を指して勝たれていたので、あるのかなと思っていた」と研究の範囲内だった。「(71手目)▲1五角は指している時は良い手かわからなかったが、自分らしい手を指せた。今年のJT杯では、今日の対局が一番内容的に上手く指せたと思う」とうなずいた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、変則日程や会場変更を余儀なくされた今期のJT杯。「4、5月は対局はできない期間があり、6月から8月の対局では渡辺(明3冠)さんや永瀬さんに負けが続いたり、藤井さんの将棋を見ていても内容がいいなと感じていたので、その3人に対して何とか実力や内容のところで追いついていくことを目標、必要だと思っていた」と振り返る。2回戦で藤井2冠、準決勝では渡辺3冠、決勝で永瀬王座と3強豪を撃破し、「その3人に勝って優勝することができたのでこれからにつながってくると思う」と自信を深めた様子だった。

 なお、両者は30日に行われる第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)挑戦者決定リーグのプレーオフでも激突。互いを知り尽くす“宿敵”とあり「対局するたびに非常に勉強になる。安定して勝たれていて、実力が右肩上がりで棋力が伸びている方」と警戒心を緩めることはない。勝てば渡辺明王将=名人、棋王との3冠=への挑戦権を手にする注目の一番だけに、「(永瀬は気持ちを)切り替えてこられると思う。私が負けたらずるずる行くかもしれませんでしたが…」と思わず苦笑いがこぼれる一幕も。晩秋に手にした大きな“収穫”を糧に、更なる飛躍を誓った。

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2020年11月22日のニュース