藤山寛美さん主演の名作「綱の上の人生」41年ぶりに上演 松竹新喜劇の若手メンバーが28、29日に公演

[ 2020年11月18日 05:30 ]

大阪松竹座の稽古場で「アトリエ公演」を行う松竹新喜劇の若手メンバー。主演の植栗芳樹(後列中央)と竹本真之(同左から2人目)
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 松竹新喜劇の若手メンバーが28、29日、大阪松竹座の稽古場で「若手アトリエ公演」を行うことになった。

 上演するのは故・藤山寛美さんが主演し名作にも数えられる「綱の上の人生」。サーカス団に所属する兄弟ピエロの悲哀を描いたのもので、41年ぶりの上演となる。

 寛美さんが演じた兄ピエロ役の植栗芳樹(39)は「もちろん、めちゃくちゃプレッシャーです。藤山先生のセリフを聞いていると、今のボクらの心にも突き刺さる。見よう見まねでも、愚直にまっすぐに向き合いたい」と表情を引き締めた。

 名優・曽我廼家文童(74)が若手のころに演じた弟ピエロ役の竹本真之(35)は普段、劇団代表・渋谷天外(65)の付き人も務める。竹本は「不安しかありません。今も吐きそうなぐらい。でもやるしかないし、このギリギリの感覚を楽しんで頑張りたい」と笑った。

 松竹新喜劇も新型コロナウイルス感染症の影響で公演が中止になるなど、多大な影響を受けた。そんな中で「若手で何かできないか」と模索したところ、普段はファンが入ることのできない稽古場を“劇場”に変える案が浮上した。

 劇団員はもちろん、松竹社員や大道具も手弁当でセットや衣装を調達する。前田絵美(41)は「私らが頑張って成功させることが皆さんへの恩返しと思って頑張りたい」。千草明日翔も「私たちに、こういう公演を“やらせてあげたい”と奔走してくださった皆さんに感謝し、先輩に必死に付いていって成長したい」と話した。まだ正式な劇団員ではない山田俊(25)も「新喜劇の作品が好きでここに入りたいと思った。またひとつ、好きな作品が増えそう」と目を輝かせた。

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2020年11月18日のニュース