「鬼滅の刃」 公開10日で興収“最速”100億円突破「千と千尋」超えた!

[ 2020年10月27日 05:30 ]

史上最速で興収100億円を突破した「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」のポスター(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable)
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 16日に封切られたアニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(監督外崎春雄)の興行収入が25日までで107億5400万円に達したと配給の東宝とアニプレックスが26日発表した。初日から10日間での100億円突破は史上最速。主題歌を歌うLiSA(33)も勢いをキープ。宮崎駿監督(79)の「千と千尋の神隠し」が2001年に記録した最終興収308億円超えも視野に入ってきた。

 無限列車の爆走が続く。全国403館で公開中の作品は初日からの3日間で342万人を動員、興行収入も46億2300万円を記録。驚異的な鬼スタートを切ったが、その勢いは2週目も続いた。

 24、25日の土、日曜日だけで227万人を動員し、興収は両日で30億4000万円。前週末の土日に比べても90%以上を維持し、これに平日を加えた10日間で798万人動員、興収107億円5400万円という衝撃的な数字をつくった。

 公開10日間での100億円突破はもちろん史上最速。これまでの記録は「千と千尋の神隠し」の25日で、2位は「ハリー・ポッターと賢者の石」(01年)と新海誠監督(47)の「君の名は。」(16年)の28日だった。

 それらをはるかに上回るスピード到達。「私は3回見た」「俺は4回」といったリピーターも早くも出始めており、最終的にどこまで数字を伸ばすのか、関係者の期待も膨らむばかりだ。

 入場者への特典もファンのハートをつかんでおり、関係者によれば、製作サイドにタイアップを申し込んでくる企業は今でも後を絶たないという。ロケットスタートに成功した“鬼滅”だが、これからの仕掛けにも熱い視線が注がれる。

 興収100億円到達に要した日数でベスト5入りした作品で、最終興収が200億円に届かなかったのは「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(4位、29日)と、「崖の上のポニョ」(5位、31日)の2本があるが、勢いが段違い。国内興収の歴代1位は「千と千尋の神隠し」の308億円。その2倍以上のペースで突っ走る“鬼滅”が最終興収でも“千と千尋”を上回るか、大いに注目される。


 《コラボ商品続々》コンビニや食品会社など大手企業がキャラクターをあしらった商品の販売を続々と展開し店頭や街中に緑やピンクの「鬼滅カラー」があふれる。蔦屋書店(東京)は各店舗でレンタル、購入特典としてコラボレーション景品を8~9月に200万個以上配布。担当者は「多くの方に店舗まで足を運んでもらえるきっかけになった」と話す。
 JR九州、東日本高崎支社(群馬)は映画に登場する「無限列車」仕立てのSLを運行。JR九州はキャラクターでラッピングした特急も走らせ、観光の起爆剤として期待が高まっている。

 《規格外の掛け算》ブームの理由について、データ・デジタルマーケティングを行う「GEM Partners」の梅津文最高経営責任者は「動画配信が鬼滅ファンを温め続け、後押しとなった。(コロナ禍でも)映画館は安心と人々の認識が変わってきたことも大きい」と分析する。ハリウッド大作が次々に公開延期になっている状況などに触れ「大作が他にない市場環境も規格外だし、鬼滅人気の高まり度合いの急激さや広がり方も規格外。規格外の掛け算だと思います」と指摘した。

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