阪本順治監督 野球映画製作に意欲「間合いの中に勝負の分かれ目がある」自身は阪神ファン

[ 2020年9月5日 19:37 ]

兵庫県宝塚市で映画「一度も撃ってません」のトークショーに臨んだ阪本順治監督
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 阪本順治監督(61)が5日、兵庫県宝塚市の映画館「シネ・ピピア」で公開中の「一度も撃ってません」のトークショーに臨んだ。阪神ファンという阪本監督はスポニチ本紙取材に「面白い映画ができると思う。間合いの中に勝負の分かれ目がある」と野球映画の製作へ意欲を見せた。

 堺市出身で、今年2月に84歳で死去した野村克也さんが南海時代、練習で通った中百舌鳥球場が自宅からほど近かった。「野村さんの阪神監督時代が一番応援した」。最近では「ストレートで押す、昭和の香りがする」藤川球児投手(40)の今季限りでの引退表明が印象的と語った。

 阪本監督作品で、俳優原田芳雄さんの遺作となった「大鹿村騒動記」の舞台長野県大鹿村では、このほど300年の伝統があり、同作で取り上げた大鹿歌舞伎が今年は開かれないことになった。新型コロナウイルス感染対策のためで、春に続き10月の定期公演も中止が決まった。原田さんが公開3日後に亡くなり、2012年の日本アカデミー賞最優秀主演男優賞にも輝いた同作。「中断した1年を、次に復活したときに“よき空白期間”としてほしい。中断は残念だけれど、歴史の一つとして刻んでほしい」と期待を語った。

 「一度も撃ってません」は俳優石橋蓮司(79)の19年ぶり主演作。2週間での撮影だったため日程はタイトだった。クランクアップ後、石橋から「2日目の夜に俺、ダメかと思った」と明かされたと振り返る。

 セリフが多く、自由度の高い脚本。当然、事前準備も求められる。主演ゆえ全撮影にも立ち合った。桃井かおり(69)岸部一徳(73)大楠道代(74)、他にも佐藤浩市(59)豊川悦司(58)江口洋介(52)ら豪華共演陣に「コロナ以前に撮った映画ですが、こんなに年寄りが徘徊(はいかい)する映画はない」とアピールした。

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2020年9月5日のニュース