「所JAPAN」千田嘉博氏が編集に苦言「誠に遺憾」大坂城・極楽橋の移築説明めぐり 関テレ補足

[ 2020年8月25日 19:00 ]

 豊臣秀吉の側室・淀殿を特集した24日のフジテレビ「所JAPAN」(月曜後10・00)の中で、当時豪華絢爛だった大坂城の「極楽橋」が琵琶湖に浮かぶ竹生島に移築された説明をめぐり、番組に出演した城郭考古学者・千田嘉博氏が、極楽橋はいったん秀吉を祀る京都・豊国神社に移築し、その後、竹生島・宝厳寺に再移築したという説明が“全カット”されたとして「誠に遺憾」などとツイート。説明を省略した番組サイドの編集に苦言を呈した。制作の関西テレビ(カンテレ)は25日、「詳細な史実では、大坂城から京都・豊国神社に一度移築されてから、琵琶湖の竹生島に再度移築したものです」などと補足した。

 千田氏は24日夜、「ただいま放送中の『所JAPAN』で、大坂城の極楽橋の移築について紹介しました。しかし現地でもスタジオでも説明させていただいた大坂城から京都の豊国神社に極楽橋をいったん移築し、その後、竹生島の宝厳寺に再移築したという説明が全カットに。誠に遺憾です」「番組スタッフは(歴史学者の)服部英雄先生に直接の取材もしてOA(オンエア)の内容になっています。そうした研究者への敬意と踏むべき手順がOAでは全く見えなくなってしまっています。現場ロケ、スタジオ収録にどれだけ誠実に取り組んでも、その後の編集でこれほど変えてしまえば、どうしようもありません」「今回のOA内容に関係した者として、心からお詫び申し上げます。本当に残念です」とツイートした。

 千田氏のツイート通り、オンエア上、極楽橋がいったん京都・豊国神社に移築された説明はなかった。番組は多彩なスペシャリストの解説を交え、日本にまつわる謎に独自の視点で斬り込む知的バラエティー。この日は戦国美女シリーズ第3弾として、秀吉の死後、母として息子・秀頼を守り続けた淀殿の“最強のシングルマザー”伝説に迫った。その裏側に豊臣VS徳川における淀殿の決断があったとして、極楽橋移築を取り上げた。

 一夜明けた25日、千田氏は「関西テレビ制作『所JAPAN』豊臣大坂城・淀殿回について、制作責任者の方と時間をかけて話し合い、課題を共有しました。これからの『所JAPAN』のお城回は、史実をしっかりと踏まえ、さらに楽しく分かりやすい内容になるよう、制作スタッフとともに千田も努めて参ります。よろしくお願いいたします」と“和解”した。

 番組公式ツイッターを通じた関西テレビの発表は以下の通り。

 8/24(月)放送の「美文字・淀殿」回に関して番組から補足の説明をさせていただきます。

 (1)番組内で、淀殿がかつて大坂城にあった「極楽橋」を琵琶湖・竹生島に移築したという話を紹介しましたが、詳細な史実では、大坂城から京都・豊国神社に一度移築されてから、琵琶湖の竹生島に再度移築したものです。

 (2)「豊臣秀頼が豊臣秀吉の実子ではないとの説」を紹介するにあたり、今回は、その研究をされている九州大学・服部英雄のご協力の下、千田先生にスタジオで解説していただきました。

 今後も「所JAPAN」は、千田先生と共に知られざる歴史の新事実発見と調査を続け、視聴者の皆様に楽しんでもらえる番組作りを目指していきます。

 「所JAPAN」制作スタッフ

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