備忘録5

[ 2020年8月15日 08:00 ]

感想戦で対局を振り返る藤井聡太七段(左)と佐々木勇気七段
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 【我満晴朗 こう見えても新人類】

 ☆6月25日 対佐々木勇気七段(順位戦B級2組1回戦=東京・将棋会館)

 順位戦開幕局は後手の藤井が110手で勝利。

 「藤井VS佐々木」と言えば3年前、17年7月2日を思い出すファンも多いだろう。当時14歳の初々しい藤井少年がデビュー以降、百戦錬磨の諸先輩を次々となぎ倒し、29連勝の新記録を樹立。その連勝が30に達するか、と日本中の耳目を集めたその日だ。結果は佐々木が年長者の意地を見せ勝ちきっている。

 あの日以来、2度目の対決。当初は前日の24日に関西将棋会館(大阪市)で行われる予定だったが、23日に東京の将棋会館で王位戦挑戦者決定戦が組まれたため、日程と会場を変更して開催された。

 さかのぼること17日、つまり6月8日のことだった。渡辺明棋聖―藤井七段(ともに当時)の棋聖戦5番勝負第1局が開催された際の話。

 対局が始まって速報記事を送信し、記者控室でまったりとした時間を過ごしていた筆者の前に佐々木が姿を見せた。スーツ姿がばっちり決まっている。あれっ、きょう対局でしたっけ?

 「いいえ、棋聖戦を見に来たんですが…」

 おおそうか。あの時と同じではないか。

 藤井が連勝記録を29に更新した3年前、次戦の相手は佐々木に決まっていた。対局の度に数十人の報道陣に囲まれる異様なムードに慣れておこうと、佐々木は藤井戦の対局室に度々足を運んでいた。29連勝達成時は盤側に座して「敵情視察」を敢行。連勝記録を止める一つのファクターがこれだった。

 今回も順位戦初戦でいきなりの対戦が組まれたため、同様の構想を抱いて将棋会館を訪れたのは想像に難くない。

 しかしながら誤算があった。新型コロナウイルス感染対策で、対局室に入れるのは原則として当事者と立会人、記録係、観戦記者、主催者、代表取材者に限られる。ゆえに佐々木は入室出来ず。せっかく最前線の雰囲気を味わいたかったのに、さぞ無念だったろう。

 その佐々木七段についての小ネタを少々。趣味の一つがポーカーで「勝つ自信はありますね」と言い切るほどだ。運動系も大好きで、昨年(19年)5月の市民マラソンイベント「スポニチ山中湖ロードレース」では山中湖1周の部(13・6キロ)を1時間28分ほどで完走している。同じく完走した渡辺王将より8分ほど速いタイム。側聞したところでは将棋連盟内で「バスケットボール部」の幹事的役割も務めているとか。

 藤井とのライバル物語は今後も長く続くに違いない。通算成績は1勝1敗。2人が紡ぎ出す名勝負を楽しみにしている。(専門委員)

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