「石原プロ」起業日の来年1・16に幕…裕次郎さん遺言を総意で実行 妻・まき子さん「商号を仏前に返還」

[ 2020年7月18日 05:30 ]

1982年、復帰後初の屋外撮影に臨む石原裕次郎さん
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 故石原裕次郎さんが1963年に設立した芸能事務所「石原プロモーション」が、2021年の起業日となる1月16日をもって58年の歴史に幕を下ろすことになった。裕次郎さんの命日の17日、妻で代表取締役会長の石原まき子さん(86)名義で関係各所に手紙を送り正式発表した。

 書状では「株式会社石原プロモーションの商号を故石原裕次郎氏仏前に返還することに全員一致で決定致しました」と報告。まき子さんによると、87年に裕次郎さんが亡くなる際「俺が死んだら即会社をたたみなさい」との遺言があった。けれども33年間、経営を続けたことについては「俳優さん、スタッフの皆さんがいつも生き生きとされていて会社に対する愛情の強さがひしひしと感じられ、この人たちならば会社をお任せするべきと思い、遺言を言いだすことができなくなっておりました」と説明した。

 実際、この遺言については渡が14年発行の「石原プロモーション50年史」で触れており「石原プロを辞めるつもりでいた」と明かしている。ただ、まき子さんからの強い要請もあり「裕次郎さんが命懸けで築き上げてきた石原プロを守っていかなければいけない」との思いで社長を引き継いだと述べている。

 今回の幕引きは、まき子さんが自身の高齢と体力の低下により実務に支障が出てきたため「石原」の看板を守ってきた渡哲也(78)、舘ひろし(70)、神田正輝(69)らに相談。「裕次郎さんらしく惜しまれるうちに商号を返しても、承知してくれるのではないですか」と全員の賛同を受け、決断した。

 今後、裕次郎さんの音楽・映像版権などの管理は子会社の石原音楽出版、遺品などの保管、維持管理は年内設立の「一般社団法人ISHIHARA」が行う。「石原軍団」と呼ばれる所属俳優は独立、移籍などそれぞれが新たな道を探ることになる。

 60年代には三船敏郎さん、勝新太郎さんらが独立しスタープロの設立が相次いだ。その中で唯一、昭和、平成、令和を駆け抜け、芸能史に大きな足跡を残してきた老舗がその役目を終える。

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