映画監督・森崎東さん死去、92歳 「時代屋の女房」「美味しんぼ」…人情喜劇の名手

[ 2020年7月18日 05:30 ]

映画監督の森崎東さん
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 「時代屋の女房」や「ペコロスの母に会いに行く」などで知られた映画監督の森崎東(もりさき・あずま)さんが16日午後10時15分、脳梗塞のため神奈川県茅ケ崎市の病院で死去した。92歳。長崎県出身。葬儀・告別式は近親者で執り行う。喪主は妻芙美子(ふみこ)さん。庶民の反骨精神、たくましさをユーモラスに描き続けた人情喜劇の名手だった。

 日本映画界に大きな足跡を残した森崎監督が逝った。関係者によれば、6月24日に入院。小康状態を続けたが、16日夜、帰らぬ人となった。松竹で助監督時代からの付き合いで、「男はつらいよ」の脚本も共に手掛けた山田洋次監督(88)は「頭脳明晰(めいせき)、学識豊かな知識人であり、思いやりにあふれた豪快な九州男児だった。その魅力的な人柄は彼の作品に鮮やかに反映されて、森崎喜劇という誰にもまねのできないジャンルを確立した」とコメントを寄せた。

 69年に「喜劇 女は度胸」で監督デビュー。翌年の「男はつらいよ フーテンの寅」では監督も務めたが、寅さんに立ち小便させるなど型破りな描き方が会社から嫌われ、この1作でシリーズから外された。人と同じことをやらないのが森崎イズム。終戦翌日に海軍少尉候補生だった兄が割腹自殺。「この兄への愛と反発が映画作りの軸になっている」と語った通り、泥くさく人間を描き続けた。

 フリー転身後の83年、古巣の松竹で夏目雅子さんを主演に撮った「時代屋の女房」がヒット。96年の三國連太郎さんと佐藤浩市(59)の初の親子共演作「美味しんぼ」も話題を呼んだ。自ら認知症を発症しながら85歳で監督した「ペコロスの母に会いに行く」は認知症の母と息子の日常をペーソスに包んで描き、89歳だった赤木春恵さんに初の毎日映画コンクール女優主演賞をプレゼントした。長く撮影監督として森崎作品を支えた浜田毅氏(68)は「やりたい作品が頭にあり、“オレはできないが、(助監督を務めた)小林聖太郎にやってもらおうか”と話していたそうです」としのんだ。

 ◆森崎 東(もりさき・あずま)1927年(昭2)11月19日生まれ、長崎県島原市出身。54年に京大法学部を卒業し、56年に松竹京都撮影所に助監督として入社。65年に松竹大船撮影所に移動し、山田洋次監督の助監督や脚本を担当。69年に監督デビュー。04年公開の「ニワトリはハダシだ」で第17回東京国際映画祭の最優秀芸術貢献賞を受賞。

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