負けたら号泣…藤井新棋聖を強くした、負けん気の強さと将棋への熱い思い

[ 2020年7月16日 20:30 ]

藤井七段、最年少タイトル!新棋聖に

第91期棋聖戦5番勝負の第4局で渡辺明棋聖を破り最年少タイトルを獲得した藤井聡太七段(日本将棋連盟提供)
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 将棋を愛するがゆえの藤井“熱男”伝説の幕開けは13年前の2007年だった。藤井の祖母・育子さんが初心者用の将棋セットをプレゼント。動かせる方向が分かるよう、全ての駒に矢印が書いてあるものだったが、藤井はこれにのめり込んだ。まだ読み書きもできないのに指南書を広げ、棋譜と符号だけで理解していった。

 溝や穴のある5センチ角の木のブロックを組み合わせ、上から落とした玉が転がり落ちてくるように通路を作って遊ぶスイスの木製知育玩具「キュボロ」を3歳から楽しみ、その発想力にはすでに目を見張るものがあった。アイデアの引き出しの多さは、そのまま将棋の上達へとつながった。

 週4回、地元・瀬戸市の「ふみもと子供将棋教室」に通い、小学1年でアマチュア初段となった。営む文本力雄さん(65)は、「負けたら泣いて泣いて、涙が流れて止まらない…でも、冷静になったら固まったように盤上に集中。将棋への熱い思いはまるで“マグマ”のようでした」と証言する。

 プロ棋士でも全問正解は難しいと言われる「詰将棋解答選手権」で、制限時間90分の半分以上を残して全問正解し、将棋界を震撼(しんかん)させた。だが、その一方で“二歩”で反則負けし、号泣したこともあった。

 小学2年のときの「将棋の日」(11月17日)のイベントで谷川浩司九段と指導対局。飛車角落ちで臨んだ谷川の圧倒的優勢だったが、指導時間切れとなったため、谷川が「引き分けにしようか」と提案すると、将棋盤に覆いかぶさって大泣き。負けん気の強さも群を抜いていた。

 集中力も卓越しており、小学校の頃は将棋のことを考えながら歩き、ドブに落ちたことが2、3度あった。電柱にぶつかったり、学校にランドセルを忘れてきたこともあったという。将棋の時間をつくりたいがため、学校の授業ではまさに“全集中”。それゆえ、中学時代には「授業内容は理解できているのに、なぜ宿題をやらないといけないんですか?」と教師に反論したことも。またあるときには「どうして5分で分かることを(授業で)45分もかけて教えるんだろう?授業がつまらない」と言って、母・裕子さんを驚かせたこともあった。

 中学2年のとき、プロ棋士となり、デビューから29連勝。その後の活躍は、幼少時から培った集中力と負けず嫌い気質が後押しした。初挑戦でタイトルホルダーへの厚い殻も易々と突きやぶってしまったしゃく熱マグマがその流れを止めることは当面ないだろう。

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