怪談の島田秀平(中)「みなさんも自分には霊感がないと思ってるでしょうけど」

[ 2020年6月25日 13:16 ]

怪談の話術に磨きがかかる島田秀平
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 【牧 元一の孤人焦点】YouTubeチャンネル「お怪談巡り」が人気のタレント・島田秀平(42)はこう話す。「僕には霊感がありません。幽霊は見えてないと思ってます。これを読んで頂いている人もほとんどがそうだと思うんですよ」。ところが、最近、こんな体験をしたという。

 テレビ番組のロケで、長野県を訪れた時のことだった。そこは昔、電車が走っていたが、廃線になり、今はハイキングロードになっている場所だった。歩いていると、高さ40メートルほどのレンガ造りの橋にさしかかった。そこでディレクターから「きれいな橋なので映像に収めたい。島田さんは橋の上に行ってください。われわれは下から撮影します。準備ができたら手を振ってください」と言われた。

 1人で橋の上に行き、周りの景色を見渡した。橋の下にはディレクターや撮影スタッフが見えた。ふと、自分の横を見ると、観光客らしい女性がいた。このまま撮影を始めると女性も映ってしまう。女性がいなくなってから手を振ろうと思った。

 しばらくすると、携帯電話が振動した。ディレクターからだった。「どうしました?手を振ってください」と言われたので「今、女性がいるじゃないですか!」と返した。ディレクターは「え、島田さん1人ですよね?」とけげんそうだった。「え、女性が…」と言いかけて横を見ると、そこには誰もいなかった。女性がいたはずの場所をよく見ると、足元に花束が置かれていた。

 あとで調べたら、そこは2週間ほど前に若い女性が飛び降り自殺した場所だった。橋の上での記憶をたどってみると、女性が赤いシャツを着てリュックを背負っていたのを思い出した。しかし、いくら思い出そうとしても、どんな顔だったかは全く浮かんでこなかった。

 「ゾクゾクしました。これまでずっと僕には霊感がないと思ってたんですけど、もしかしたら違うのかもしれない。僕がこれまで街を歩いていて、すれ違った人たちの中にも、本当は存在しない人がいたのかもしれない。そう考えると、めちゃくちゃ怖くなりました。これを読んで頂いているほとんどの人も自分には霊感がないと思っているでしょうけど、もしかしたら…」

 手相占いと怪談の両立を始めてから十数年。その話術にますます磨きがかかる。(つづく)

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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