小室哲哉氏 復帰は否定も楽曲制作明かす「オンラインの中で生きる曲を1曲残してみたい」

[ 2020年6月12日 09:30 ]

小室哲哉氏
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 2018年1月に音楽活動からの引退を表明した音楽プロデューサー・小室哲哉氏(61)が11日深夜放送のTOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」(月~木曜深夜1・00)に生出演し、作曲を再開したことを明かした。

 小室氏が公共の電波で話すのは「2年4カ月ぶり」で、社会学者の古市憲寿氏(35)とトークを展開。同番組は親交のある秋元康氏(62)がプロデュースしている縁で「小室君出ようよってサラっと言われたんで…」と出演を決意したという。引退を表明した18年は「記憶が飛んじゃっているくらい…ピアノも触っていなかったし、耳が病気になってしまったので音楽に触れることもなかった」と語り、昨年ピアノを弾き、今年になってようやくシンセサイザーを弾く機会があったと明かした。

 小室氏は「引退の時はもう曲は作れないと、本当にそう思っていた」と語ったが、今年になって起きたコロナ禍で「一気に時代が、21世紀がぐーっと進んだような気がしていて…。5年後こうなるだろう、10年後こうなるだろうって言っていたのが来年こうなるだろうみたいなスピードになっているのもあって。願わくば、オリンピック、パラリンピックが無事成功して、それでちょっと日本が落ち着いて、それから何か考えようかなとぼやっと思っていたのね。それが全部早回しみたいになって…という時期」に秋元氏から「曲書きませんか」とラインが入り、「すごく熱く語ってくれたので」3曲作ったという。

 小室氏は「僕も気持ちもガラっとそこで変わったかもしれない。このままのんびりしている場合じゃないかなって。最後に何か音楽を残したい、というのが出てきたかもしれない。この時代だね。一言で言っちゃうと、オフラインじゃなくてオンラインの中で生きる曲を1曲残してみたいかなっていう気持ちになっているかもしれない」「僕にはオンラインの中でのヒット曲がまだない。1曲くらいあってもいいのかなって…」と意欲を語った。

 「こんな感じだっけっかな?っていう感じで。探り探り3曲作った」と言うが「発売日ありきとかではなくて、まったく先が見える話ではないんだけど。ただ、先が見えないのにレコーディングしているのは楽しいんだなって」。その曲は秋元氏から「もっといい曲ができるよ」と“ダメ出し”を受けているところと明かし「僕は35年やっているけど、1発OKってない」と小室氏。

 その一例として華原朋美(45)の大ヒット曲「I'm proud」を作った時のエピソードを披露。「もう時効だと思うんですけど。昔はペンで書くんで、書き上げたものを見せたんだけど、成田からロサンゼルスの飛行機の中で書き上げて、向こうのホテルで(華原に)見せた。どこが気に食わなかったのかいまだにまだわからないんだけど、ホテルに暖炉があって火がボーボー燃えてて、丸めて捨てられた。なんか嫌だったみたい…」と笑い、その曲は「覚えてないのよ。ほぼ覚えていなくて、もう1回書こうかな。で、次の日の朝までかかって書いた。結果、なかなかいい歌詞ができたと思う」と、華原から強烈な“ダメ出し”を出されたからこそ、大ヒット曲が生まれたと明かした。

 小室氏はオンラインでの曲の配信について「今は数が一気に100万人どころじゃない、1000万、2000万くらいの数の人がドカッといいって言ってくれる可能性があるという点では、いい時代だと思う」と語り「オンラインの中での、そういった曲を1曲でもできたらいいかな」と語った。古市氏から「復帰宣言じゃないですか」と突っ込まれると「復帰宣言じゃないですよ。まだ練習してみているだけ」と答え「批判もすごくあるだろうし、そう簡単に、はい、っていう訳にはいかないと思うんで…。年齢も年齢なので(ライブとか)そういうところに出ていくつもりはゼロなのね。ただ、楽曲は若干違うかなって」と語った。

 番組の終盤に古市氏が「秋元さんから連絡来ていて、もう復帰しましょうよって」と話すと「秋元ちゃんのダメ出しが終わらない限り…。永遠にダメ出しが続くかもしれない」と笑っていた。

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2020年6月12日のニュース