「麒麟がくる」土田御前・檀れい「呼吸困難」愛息・織田信勝との別れに“母も殺した”信長と「決定的絶縁」

[ 2020年5月24日 20:45 ]

大河ドラマ「麒麟がくる」第19話。織田信長(染谷将太)に厳しい言葉を投げ掛ける土田御前(檀れい)(C)NHK
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 俳優の長谷川博己(43)が主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)の第19話が24日に放送され、女優の檀れい(48)が演じる織田信長(染谷将太)の母・土田御前は信長の弟・織田信勝(木村了)の亡骸と対面した。

 大河ドラマ59作目。第29作「太平記」(1991年)を手掛けた名手・池端俊策氏(74)のオリジナル脚本で、智将・明智光秀を大河初の主役に据え、その謎めいた半生にスポットを照らす。物語は1540年代、まだ多くの英傑たちが「英傑以前」だった時代から始まり、それぞれの誕生を丹念に描く。

 第19話は「信長を暗殺せよ」。斎藤道三(本木雅弘)の死から2年。越前で慎ましい生活を送っていた光秀(長谷川)は、朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)に呼び出され、将軍・足利義輝(向井理)が戻った京の様子を探りに行くように命じられる。京では、尾張を手中に収めようとする斎藤義龍(伊藤英明)の一派が、これから上洛してくる織田信長(染谷)の命を狙っているという不穏な噂を耳にする。松永久秀(吉田鋼太郎)の力を借り、光秀はそれを未然に阻止。再会を果たしたかつての友に、義龍は再び自分と手を組み、美濃を大きく豊かな国にしようと持ち掛けるが…という展開。

 前回第18話のラスト。信長は、謀反の兆しがある弟を呼び出し、毒殺。そして、第19話の冒頭。絶命した信勝を目にした土田御前は亡骸となった信勝の頬に触れ、号泣した。

 檀は「絶命した信勝を目にした時は、何が起こったのか頭の中で理解できませんでした。戦国の世に生きる母としては血縁者同士で争うことも常である時代だからこそ、突然自分の子どもを失うかもしれない不安が付きまとっていましたが、信勝の姿を目にした時は、ただただ涙が止まりませんでした。大切にしていた信勝を失った悲しみで、本番の時に自分自身、胸が苦しく途中で呼吸ができなくなるほど、つらいシーンになりました。呼吸困難になるのは自分の中では計算外でしたが、それほど土田御前として、信勝を心の拠り所にしていたし、大事に育ててきたので、自分の半身を失ったかのような苦しみを感じました」と収録を振り返り、呼吸困難になるほどキャラクターに入り込んだことを告白。

 そして、土田御前は信長に「満足ですか?弟を手にかけ、尾張を手中に収めて。そなたはむごい。私はこの先、何をよすがに生きていけばよいのか。そなたはいつも私の大切なものを壊す。私が大切に育てた小鳥を死なせ、茶器を割り、幼き頃より、そなたはいつも物を壊し、私を傷つけた。そなたが側にいるだけで、私の心は穏やかではなかった。それを癒やしてくれたのが、信勝であった。そなたはまた私の大切なものを壊したのじゃ!私の大切なものを!そなたは弟を殺しただけではない。この母も殺したのです」と言い放ち、泣き崩れた。

 「(両手で信長の)頬に触れるのは、私から監督に提案させていただきました。信長も自分の子ですが、弟をも殺してしまうような異質な存在である信長を産んだのは自分だということを土田御前として認識したかったんです。愛おしく思っている信勝に触れるのと、怒りや憎しみ、悲しみで信長に触れるのとで、違いが出せたらと思いました。怒りや悲しみをぶつけるだけでなく、触れることによってこの親子の複雑さ、土田御前として何故こんな子が生まれてきてしまったのか、何故ちゃんと信勝のように育てることができなかったのかという思いが出せればいいなと。このシーンが土田御前と信長の決定的な絶縁のシーンでもあるので、見ている方にはこの親子もうダメだなと思っていただけるように演じました」と演技プランを明かした。

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