「M」バズってます!「昭和感が凄い」まるで大映ドラマ 鈴木おさむ氏がこだわり明かす

[ 2020年5月2日 05:30 ]

安斉かれんと三浦翔平がダブル主演している「M 愛すべき人がいて」。2日放送の第3話のワンシーン
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 浜崎あゆみ(41)の自伝的小説が原作のテレビ朝日ドラマ「M 愛すべき人がいて」(土曜後11・15)の作風が話題になっている。主人公への嫉妬に狂う奇想天外なキャラクターや、靴の中に画びょうを入れるいじめなど、80年代のドラマを想起させる展開。脚本を担当する鈴木おさむ氏(48)にこだわりを聞いた。

 放送の度に「昭和感が凄い」「ツッコミどころ満載」「突き抜けていて面白い」などとツイッターなどのSNSが盛り上がる「M」。先月18日の初回は、深夜作品では異例の5・6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)の高視聴率を記録した。特に話題になっているのが作風で、鈴木氏は「ドラマ化するにあたり、懐かしい大映ドラマのような、かなり濃いキャラクターと、ドラマチックなことが次々起こるような要素を足して作りたいと思いました」と明かした。

 「大映ドラマ」とは大映テレビが制作する実写ドラマ。80年代に「スチュワーデス物語」や「スクール☆ウォーズ」などがヒットした。主人公が苦難を乗り越えて幸運を手に入れるサクセスストーリーが特徴。展開が早く、大げさなセリフや感情表現にお茶の間の視線はくぎ付けとなった。鈴木氏もその一人で「大映ドラマの作品を数々見て育ってきたので、その要素を入れ込みたいと思っていました」と振り返った。

 象徴的な場面が第2話に登場した。安斉かれん(20)演じる主人公のアユがレッスン合宿中に次々といじめに遭い、めげそうになる。そこに突然、三浦翔平(31)演じる音楽プロデューサーのマサが現れ「俺を信じろアユ、走れー」と雨中で絶叫。アユは試練を乗り越えた。

 登場人物のキャラクターも強烈だ。特に顕著なのが田中みな実(33)が演じている、アユへの嫉妬をあらわにする眼帯姿のマサの秘書。鈴木氏は「(アユやマサらとは違う)実在しない人物に関しては、ドラマとして、よりドラマチックな物語展開に必要なキャラを加えました」と説明する。

 こうしたアクの強いキャラやセリフがSNSで話題になるのも計算通り。鈴木氏は「見る人によって受け止め方が違う。突っ込みながら見る人もいれば、違う見方をしたり、ストーリーを追ったり。いくつかの見方ができるドラマこそ、テレビドラマにとって必要なんじゃないかと思ってセリフや展開を作りました」と狙いを明かしている。

 ◆鈴木 おさむ(すずき・おさむ)1972年(昭47)4月25日生まれ、千葉県出身の48歳。19歳で放送作家デビュー。バラエティー番組を中心にTBS「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」やテレビ朝日「林修の今でしょ!講座」などを担当。18年公開の映画「ラブ×ドック」で監督デビュー。02年に交際期間0日でお笑いトリオ「森三中」の大島美幸と結婚。血液型O。

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