元競輪選手“17年待ちの食パン”に込める思いとは 妻の支えで大ケガ乗り越え…

[ 2020年4月20日 19:30 ]

パン職人に転じた元競輪選手・多以良泉己氏(写真提供・MBS)
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 MBSテレビ「OFLIFE」(火曜深夜1・59)の21日放送は「元競輪選手 多以良泉己 パン職人」がテーマ。元競輪選手の多以良泉己(たいらみずき)氏(45)にスポットを当てる。

 多以良氏は2000年に競輪選手としてプロデビュー。年間獲得賞金約1300万円を稼ぐまでに活躍した。だが、レース中の事故がもとで08年に現役を引退。引退後、パン職人への道へと進むことになった。

 通信販売専門店「天使のパン・ケーキ Gateau d’ange(ガトーダンジュ)」。フランス語で天使のケーキを意味する店として、パン、ケーキや焼き菓子、ジャムなどを販売する。神奈川県鎌倉市の自宅を拠点に、多以良氏が1人で製造を担当。夫婦二人三脚で妻の総子(ふさこ)さんが受注管理や発送などの事務業務を一手に担う。

 看板商品の食パン「天使のパン」は現在、注文から商品が届くまでなんと17年待ちという大人気商品。多以良氏が無添加の材料にこだわり、心を込めて手作りする。総子さんが商品に添えた手紙がきっかけで、パンを食べたお客さんから感謝の手紙やメールが届き、絆が芽生えていく。普段、口数の少ない多以良氏だが、材料や製造工程のこだわりを語るとともに「一生懸命作るという気持ちが通じているのかな」とはにかんだ笑顔を見せる。

 多以良氏が競輪選手の引退を余儀なくされたレース中の事故では、頸椎損傷による全身麻痺など生死のはざまをさまよった。寝たきりの多以良さんを支えたのは、当時結婚したばかりの総子さん。夫人の勧めでリハビリのために始めたパン作りが、今ではインターネット販売で注目を集めるまでになる。今でも後遺症に苦しむ多以良氏だが「食べた人が喜んでくれる」ことが原動力になると語る。

 現在、新たに挑戦しているのは、畑の一角を借りて始めたハチミツ作り。慣れない養蜂作業に悪戦苦闘しながら、なぜハチミツ作りを始めたのか。さらに新商品の開発も進めている。

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2020年4月20日のニュース